第185話 劣勢! 深夜の襲撃!
「敵襲ぅぅぅぅ! 寝ている奴を叩き起こせ!」
つい先ほどまで多くの者が酔って寝入り、高いびきを響かせていた宴会場は、今や
谷戸の谷底となるこの場所を目指して、奇妙な軍勢が
それは
重厚な
彼らは急斜面をほとんど減速せずに一気に駆け下り、宴会場になだれ込んで来た。
すぐに先頭集団が、起きたばかりのダニアの女たちに襲いかかる。
まだ酔いと眠気の
武器と体があれば多少酔いが残っていたところで、本能で戦えるのがダニアの女戦士だ。
だが、敵の異様さに彼女たちは苦戦を
夜の
切ったり突いたりすることはあきらめ、武器を叩きつけるようにして敵と戦うダニアの女たちだが、
彼らは攻撃を受けてもまったく痛みを感じている様子もなく、ひたすら突撃し続ける。
その不気味な有り様に女戦士たちは
そんな中、
「うおおおおりゃぁぁぉ!」
乱戦の中、ソニアは思い切り
ソニアの人並み外れた腕力によって
(こいつら……まるでこたえていない)
ソニアは今度は
すると
それを見たソニアは弾かれたように声を上げる。
「頭だ! 頭を
ソニアの言葉は人伝いに次々と宴会場に広まっていき、ダニアの女たちは
だが敵の数は多い。
ダニアの戦士は本家・分家を合わせても100名足らず。
敵の総数は分からなかったが、
「まずいぞ。こりゃ。どう見てもこっちの人数不足だ」
ソニアの近くでベラが槍を振るいながら、そう吐き捨てた。
彼女も得意の槍で
今、ベラやソニアの周囲には多くの
1人1人の相手に全力を出していたら、体力自慢の2人とていずれは力尽きてしまうだろう。
そしてダニア本家の中でも
このままでは全滅を待つばかりだ。
今なお多くの
「くそったれ! こいつら何百人いやがるんだ! こんなもん勝負にならねえぞ!」
「泣き言はやめな!」
ソニアは怒声を上げながら
「ソニア! 後ろだ!」
その声にソニアが振り返るよりも早く、
その時だった。
空中から多くの
さらには後方から2匹の
「ガウッ!」
その後方から声が響く。
「行けっ! おまえら! 黒い奴らを
そう言って馬上で声を上げているのは、銀色の髪を短く切りそろえた女だった。
彼女の号令に従って多くの
そして銀髪の女の後ろには同じく銀色の髪を長く伸ばした女が同乗していた。
「ブライズ様! ベリンダ様!」
周囲にいた分家の女たちから嬉々とした声が上がる。
ブライズは
そして
「くたばりやがれ!」
その顔は肌がどす黒く変色し、その目は真っ赤に充血していた。
そして
「化け物かよ……」
異様な
ベリンダは
「クルヌイ
その言葉の通り、ブライズが自慢の
「ハァァァァッ!」
続いてベリンダが馬上から得意の
それを見たベラが槍を高速で突き出し、
「オラオラオラオラァ!」
それでも敵は大挙して押し寄せるが、
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