第014話 機核三原則《きかくさんげんそく》
「
自身の肉体に装甲を纏う型、武器や器具を用いる型、アニマロイドやヒューマノイドを
それぞれの型には一長一短があり、各人の能力や志向に適した
紙の教科書を開く古臭い授業スタイルで、凛とした雰囲気の女性教諭が声に出す。
パンツスタイルのスーツに身を包み、漆黒の髪は遊びを知らない。
見た目だけなら
それ故に生徒は誰一人として私語や内職をせず、黙々と教科書やモニターの文字を追っている。
カズキらの通うこのLTSでは、一般の専修学校と同様に英・数・国・理・社、体育に美術といった授業も行われている。
午前中はそれら普通科の授業が行われ、昼休憩を挟んだ午後からは
学年やクラスによって異なるが、1年次には週に2度の
以前に出向いた現場での実習も、基本的には座学講義の無い日に行われる。
とはいえ
それら自由度の高い実践授業に比べて座学授業を好まない生徒は多い。特に今日の講義は多くの生徒が嫌悪していた。
「では我々機療士が所有する使役型の
指名を受けた
「
「それはなぜだ」
「
「よし、座れ」
張り詰めるような緊張の中、
この授業が
一部の生徒は「自分が指名されるのではないか」と
「では【
「え、俺ですか?」
そんな中でカズキは、ひどく落ちついていた。
女性教諭はギロリと鋭くカズキを睨みつけた。
引き笑いを浮かべながら、カズキはゆっくりと立ち上がる。
「えーっと……【三原則】は、人を傷つけたり物を壊したり、法律違反をするなっていう
「22ページ!」
教師の怒声に教室全体がビクリと震える。否、実際に空気が震えているのだ。
カズキは指定のページを捲った。
「あ、これか……【三原則】とは
「第一条」
矢継ぎ早の一声が、座ろうとするカズキを止めた。
「
「第二条」
「
「第三条」
「第一条、第二条に抵触しない限り
「よし、座れ」
「はいっス」
「返事は「はい」だ馬鹿者‼」
今日一番の怒号が、窓や壁さえも震撼させた。
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