第008話 輝く粒子
だが
そのため
また
後天的に生成量を増やす場合は、二次性徴期終了から成長期にかけた14歳~19歳が最適とされている。
つまるところLTSに在籍している時点で、彼らは
◇◇◇
「行くぞ……ライナ!」
『グル』
額に汗を浮かべ、カズキは走り出した。
ほんの少し足を出しただけで、普段の何倍も速く走れる。
体が軽い。本当に羽になったような……否、背中に羽が生えたような感覚だ。
だがスカイライナーは更に速い。
狼を思わせる俊敏さでカズキを追い越せば、
だが直後、
ハンマーの如く強烈な一撃。コンクリートの地面には幾重もの亀裂が走った。
「ぐっ……!」
激しい音と衝撃に
だが鬼気迫る様相で、すぐさま
しかし
かと思えば、敷地を囲う塀に沿って走り回り、
こうした発作的に起こる行動も、暴走した
青々とした緑葉が映えるウバメガシの低木。巨大な
『グルッ』
植木を持つ腕に、スカイライナーが跳び着いた。
けれど
続いて隣の植木にも蟹手が伸びた、その時。
「今だ!
瞬く間に距離を詰めたカズキは、
カズキは蒼い右腕に左手を添えると、外部装甲を肩側にガシャンとスライドさせた。
直後、蒼い右手甲が光を
錯覚ではない。薄青色に輝く粒子が、霧状にカズキの右手甲を覆っている。
ほのかに輝く手甲型
「ごめんな」
悲壮混じる音が、カズキの口から零れると同時。
――ガシュンッ!
手甲の外装が弾かれるようスライドして、青白に輝く
さながら弾倉型の拳銃。輝く
光の粒は
スカイライナーが蟹の手から飛び降りた。カズキも「ふぅっ……」と息を吐いて
「気を抜くな
けれど
ビクリと肩を震わせ、カズキが振り返った瞬間。
――ドゴォッ!!
「
コンクリートの地面で、カズキは激しい痛みにのた打ち回った。
不幸にも意識はある。おかげで鈍痛が全身を巡り、砂埃が汗に塗れた顔へ貼り付く。
キュルキュルと油の抜けた耳障りなローラー音。薄眼を開けて見上げれば、
ゾワリと、背筋が震えた。
『グルッ』
「止まれぇっ!!」
スカイライナーと
――ガゴォオオッ!
巨大な腕を風車のように高速回転させ、
「
寸でのところで、
だがスカイライナーは硬い地面に叩きつけられ、無惨に転がり、横たわったまま微動だにしない。
「ラ……ライナ……!」
鈍い痛みが、叫ぶことさえ許さない。
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