第006話 暴走
「終わりました!」
その隙間から作業服姿の大人達が恐る恐ると顔を覗かせる。
「ちょっと失礼」
そんな彼らを分け避けて
「お疲れさま
「手伝う気なんて
呟くようなカズキのツッコミに、振り返った
模型のように動かない蟹手の
「ちゃんと
「ありがとうございます。恐縮です」
「
「……え?」
照れ笑いを浮かべていた
「ここのオジサンの話だと、
問われ、カズキは首を縦に振った。
絶句する
そんな彼とは打って変わって、
――ドゴオォォオオッ!!
雷鳴と紛うような
驚くカズキと
すかさず
すると直後、薄暗い
大きな腕に
直立二足歩行の機体かと思いきや、足裏のローラーを使い移動している。
「これは珍しい。どうやら“暴走状態”の
「“暴走”ですか?」
平静な
「人間もインフルエンザとかで高熱が出ると、幻覚が見えたり
「じゃあ……あれも
「とーぜん」
形の良い胸を張り、
だが現れた
「あ、二人とも気を付けて」
「はい?」「へっ?」
――ガゴオオオォォッ!!
ワークロイドの蟹手が、勢いよくコンクリートの地面を砕いた。
破片が、散弾銃のごとく飛散する。
一方、カズキは
破片の群れは容赦なく襲い掛かる。
しかし刹那、
「怪我はないかな、
「は、はい」
腰の引けるカズキに、
少しだけ、カズキの心に余裕が生まれた。
「よーし、それじゃあ
だが安堵したのも束の間。カズキの顔から、一気に血の気が引いた。
「ちょっ……待ってください! 俺まだ
「それは仕方ないよ。
それに実践経験はなくても、授業ではもう習ってるでしょ」
「そりゃ、そうですけど……」
「じゃあ大丈夫。落ち着いてやれば出来るデキる」
あっけらかんと、
「ときに
「た、たぶん」
「なんだい、頼りない返事だね。機能もデザインも自分で考えたものでしょーが。仕方がない、簡単にオサライしようか。ほら、早く準備して!」
「そもそも、
小首を傾げる
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