第004話 機療と課題
「ところで
昼食の豪華な重箱弁当に舌鼓を打つ
「どうするって、何が」
「今日は午後の講義が無いだろ。[課題]に行くのかと思って」
言われてカズキは「あー」と声を伸ばした。
サンドイッチを口に入れたまま喋ろうとするも、エルグランディアに睨まれゴクリと飲み込んだ。
「俺はこのあいだゴミ拾いやったばっかだから今日はやめとく。
「どないしょーかなぁ。ボクも先週ドブさらいやったトコやし。あ、福祉施設の手伝いもやったわ」
焼きそばパンを
「
「うん。先週ね」
『
「そうだね。だいぶ苦労した」
「たっはぁ~!!
「はいはい。そんな悩める少年達にオトクな情報がございますよ」
明るい女の声が唐突に割り込まれた。
エルグランディア以外の3人は勢いよく振り返る。見ればすぐ後ろに、先ほど生物学の講義を行っていた女性教諭・
『
「はい、こんにちは。いやはや青春まっただなかに失礼と思いつつ、美味しそうな匂いに誘われて来てしまったよ」
一体いつの間に現れたのか。そんなカズキらの疑問を知ってか知らずか、
スラリと伸びた長い手足を包み込む純白の白衣。ミルクティーアッシュの長い髪はポニーテールに纏められて、チラリと除く
整ったスタイルと人好きのする笑顔が、彼女の美しさをより際立たせていた。好色な
しかしカズキは、
「それで先生。その情報とは何ですか?」
「実はさっき
「本当ですか?! 是非お願いします!!」
『受けるべきですよ坊ちゃま。せっかく片桐先生が誘って下さったんですし、
「まだ何も言ってねーだろ。なんでお前は俺が断ること前提なんだ」
『だって坊ちゃま、面倒くさがりですし。変なトコこだわり強いってゆーか、意地っ張りで。今もそんな顔してますし』
エルグランディアはカズキの
瞬きも無い
「……俺も行きます」
明らかに本意ではない態度でも、片桐たゆねとエルグランディアは笑顔で首を縦に振った。
「ありがとう二人とも。まぁ、引き
「あ、ボクはエエです。また今度で」
「そうかい。じゃあ行こうか
「えっ、俺達まだメシ食ってる途中…」
「なにを言うんだ
手を叩いて急かす
「ごちそーさん」
『坊ちゃま。サンドイッチまだ残ってますよ? 課題が終わった後に食べるんですか?』
「いや……そのツナサンド、
『あー! また好き嫌い言ってる! こんなに細かく切ったのに!』
憤慨するエルグランディアから逃げるよう、カズキはスポーツバッグを取り、スカイライナーを連れて屋上を後にした。
一同が扉の奥に消えたと同時、
「なんや二人になってもうたねエルさん。あ、それ余ってるんやったら、ボクが食べよか? そのあと二人でテラスにでも行って――」
『坊ちゃま行っちゃいましたしエルも行きますね。さよならです
早々と昼食を片したエルグランディアは、振り返ることもなく屋上から立ち去る。
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