第10話

 こんなもの、トゥルーエンドなんかじゃない。



 俺は、あの時あの選択をしなければ、きっと自らの手でルノイを殺していただろう。そして自分も死んでいた。


 俺は、これ以上のハッピーエンドを思いつかない。


 何度後悔しても足りない。


 どれだけ宇宙をさまよっても、どこか満たされない。もう流す涙もない。


 俺は結局、メイを助けることが出来なかった。


 こんなことになるのなら、俺はあの時に死ねばよかった。そう強く思う。けれど今はその勇気もないのだ。


 俺は今日も一人、ルノイのなれのはてを抱き抱える。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

グロ×ギア 長月ゆん @coela_thunder

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ