マイ・アクシデント。。アナライズ

@toshitoshi2525

第1話 あの長い夏の夜に (プロローグ)

数年前の長く暑い夏の夜に、私は神奈川の大きな病院の小さなベットで天井を見つめて、夜中中ずっと眠れない日々が続いた。

昼夜逆転して眠れない経験は、今までの人生であまりなかったと思うけど。

例えば、スマホで音楽を聞いたり、動画サイトを見たり、ラジオを聞いてもなかなか眠りに付けなかった。

そして、起床時間の朝6時の目覚まし時計の音で、ほんの数時間だけウトウトした自分に気がついた。

私は突然に不眠症になったようで、この眠れない日が何日か続いたら、睡眠導入剤を処方してもらってしっかり寝ないと更に体調にも影響するなと、ぼんやり考えいた。


そんな大変な時期に私はあの妙な小説を見つけてしまった。

その小説は、あるお笑い芸人がYouTube動画で自分で初めて書いたと紹介していた。

もちろん、小説の内容についてはオリジナルティや展開の面白さがあるとしても、文章が少し稚拙で私が中学で書いた作文ような書き出しだと感じた。

その書き出しを読んだ瞬間、私は自分の小説書きとしての経験と才能を思い出してしまい、再び自分でも小説を書いてみたいと感じた。

でも私は久しぶりに書く素人小説だから、人のことを言えないような稚拙な文章とストーリー展開になるという不安と、今回は今までと何か違う特別な小説が書けるかもという根拠のない期待感があったのがとても不思議だった。



この小説の主人公、私の名前は涼真、ビルメンテナンスの仕事をしている中年おやじ。

この週末に仕事場で左足首を複雑骨折する怪我しギブスを付けて、左足だけ高くあげた姿勢で、病院の相部屋のベットに寝ている。

まだ3日目だけど、痛みが鎮痛剤でやっと無くなり、少し上半身起き上がって食事ができるようになり、点滴の管と排尿の管が外されるまでになった。

今、あの時を思い出すと、起きるべきして起きた事故だったかもしれない。

その時の私は仕事でとても疲れていたし、何日か食欲も低下して体力的にも落ち込んでいたかも。

それに現場は古い雑居ビルで、60年前の設計で、そのビルの設備は至る所でメンテナンスしにくい構造で、床の段差や溝もむやみに多くあって歩きにくく、そして屋上への階段は狭くて急な梯子で足を踏み外しやすかった。

夜の点検時の灯りも少なく全体的に薄暗く、懐中電灯なしでは目を凝らしていないと、足が躓きそうになる場所だった。

そのビルは後数年したら立て替える予定だと噂が前からあったけど、何年も放置されているような建物だった。

そんな環境で、私は屋上からの梯子を降りて、最後の数段で左足を滑らした時に、体をささえていた両手を放してしまい、梯子から落ちて床に体ごと尻もちをついてしまった。

そして、最悪なことに床には浅く小さな溝があり、そこに左足首を挟んでその足首に体重が載って倒れ込んだために、鈍いギクリとした音とともに強烈な痛みが私を襲った。

その瞬間はまるで、私の足首がぐるりと一回転させられたよう感覚と、目から火花を散ったような痛みで、一瞬死んだという大袈裟な錯覚があった。

私は床に転がったまま痛みで暫く動けなかったけど、何とか体の向きを変えて、ハマった足を抜き、横になったまま、暫くその痛みに耐えていた。

大変なことになったと慌てて、制服の胸ポケットから取り出して、責任者に電話をかけました。

その日の私は、そのピルに一人当直勤務で、他に誰も働いてなかったので、誰も助けに来てはくれません。

責任者は帰宅していて、電話には出なくて、次に私は119で救急車を呼びました。

それから数時間後に救急隊に救出してもらい、夜の救急病院に担ぎ込まれました。

頭の中では、この痛みでは足が折れているかもしれないという嫌な予感と、仕事中の怪我は労災になるので社内で多げなことになるなという心配が合わさって、顔がかなり引きつっていたように思います。





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