第13話別れの時 童と神様たち
「よかったのか? この時期に別れて」
「もちろんです。満足ですから」
「そうか」
知り合ってから一番のいい笑顔で答えることをみるに後悔はないのだろう。
人間たちが満足していなくてもまぁ、童が納得しているのならいいかという気持ちにもなる。
「よっと」
ポ ポ ン
7歳程度の姿から16歳くらいの学生へと姿を変える。
どうやら本来の彼女はこちらの大人びた姿でいたいらしい。
説明が面倒でずーーっと子供の姿で通していたが、その必要もなくなったのだろう。
「で、ここに戻ってもいい?」
「結局それか」
「健康を願う人も少なくなったんじゃないかなぁ」
「まあまあじゃな」
宮司さんが神様の由来を書いて掲示してくれた。
おかげで場違いな願いをするものはいなくなった。
食事についての真剣な悩みになってくるから
参拝して困っている者には力を使って繫栄させる。
それで自分の役割は果たされている。
「神様、また行ってくるね」
「おう、また来なされ」
「幸せを運ばないと」
きっと次のカップルはラブラブだから子孫も早く来るはずだ。
家計を助けるために早く幸運を運んでいかないと赤ちゃんが可哀そうだ。
これからもずっと変わらない役割。
童もばあもまた同じように。
END
丑の刻参りしてみたら、同じ目的の人がいた 完 朝香るか @kouhi-sairin
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