ぼくのユウウツ

霞上千蔭

第1話

1がつ6にち

ぼくはおこされた。せっかくふわふわのくもさんふとんでねていたのに。

からだがおもいなぁ。これだからさむいのはいやなんだ。

ためいきをついて、しかたがないからしたにおりた。



1がつ7にち

いつのまにかついていたみたい。わぁってうれしそうなこえがきこえる。

ぼくはうれしくなんかないよ。ユウウツだよ。きみらはたのしそうでうらやましいね。

ためいきをついて、しかたがないからまわりのやつとくっついてころがってやった。



1がつ8にち

きがついたらだんごがふたつのっかったへんなかたちにされていた。なんだこれ。

えだとあかくてさきがまるくとがったものがささってちくちくする。

みっともなくてたまらないよ。

ためいきをついて、しかたがないからぼくはそらをみあげた。



1がつ9にち

ぎゃーぎゃーさわぐこえでおこされた。うるさいなぁ。これだから「がき」はいやなんだ。

そうおもっていたらひとりがこっちにきて、みっともないすがたのぼくをけっとばした。

うえのだんごがぽとりとおちて、ぼくはさらにみっともないすがたになった。

もうひとりがおおきなこえでなきわめいた。

ためいきをついて、しかたがないからぼくはみみをふさいだ。



1がつ10にち

おひさまがでてきてあたたかくなった。ぼくはじぶんのからだがかるくなっていくのがうれしかった。

はやくもっとあたたかくならないかなぁ。はやくまたくもさんふとんでねたいなぁ。

そうおもっていたけど、まわりのやつとくっついておおきくなっていたぼくはなかなかおそらにいけない。

ためいきをついて、しかたがないからぼくはぼーっとしてまった。



1がつ11にち

やっともどれる。

つかれた。それしかかんがえられない。もうなんぜんねんもたったきぶんだ。でもくもさんふとんでねられるとかんがえるとぼくはうれしくなった。

もどったしゅんかんにくもさんふとんにだいぶした。

はぁ…ふわふわぁ…

ためいきをついて、うれしくてしかたがないからぼくはねむった。



1がつ12にち

なのに。

なのに。。

なんでまたさむくなるんだよ。

やっともどってこられたのに。

またおりなくちゃいけなくなるじゃないか。

はぁ…………………………

おおきくためいきをついて、しかたがないからぼくはあきらめた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

ぼくのユウウツ 霞上千蔭 @chikage_

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ