架空の諺を挙げて、それを自分に当てはめるというキャッチーな始まり方、そして海水の人工池にまつわる純粋に面白くてオシャレな完成度が高い文章の中で池の中の魚たちが語られていって、最後は語り手の順子さんに戻ってくる。短いお話で、最後に少しだけ切なくなりつつも、なんだか優しい気分になりながら読めました。
なにやら新しいことわざの誕生の瞬間に、私たちは立ち会っているようです。「池に海水魚」は「いけない」ことであり「ありえない」「おかしい」こと、と冒頭に用例が述べられ、読者はまずちょっと「夢十夜」ふうの…続きを読む
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