#20 エピローグ


「さて、どうだっただろうか」

 願いの使者はことワタシは笑う。

「まあ、退屈しのぎにはなったな」

「そうか。それはよかった」

 神の声にワタシはご満悦。

 本当に退屈しのぎになったのか、そんなことはわかりはしない。けれど、言葉だけで満足してしまうとしよう。

「まあ、この世界はこの先も続いていきますしね」

 たとえば、あのユリって子が股間に不思議な感覚を覚えて変な声を聴いたり、とか。

 そんなこんなで、物語はきっと続く。けれど。

「今日はこれで終わりにしておこう」

「なんでだい?」

「……これ以上は胃もたれがしそうだ」

 苦笑する神の声に、ワタシも軽く笑った。

「じゃあ、また今度」

「……期待はしているぞ」

 また少し退屈そうに、しかし確かな期待を込めたような声音。身が引き締まるような思いで、ワタシは微笑んで。

「わかりました。……今度は、もっと面白い話を」

 ご期待くださいな。冗談めかしつつも、心の中では真面目に告げた。


 何も聞こえなくなった空中。

 ワタシはもう一度あの世界を見た。

 変態の魔法少女たちを。

 どうしようもなく、己の性に抗えない。性癖に苦悩し、マイノリティたることに懊悩する。

 だからこそ、変態は面白い。

 ワタシは口角を上げて、自分の作った世界を見守る。

 はしゃぎ笑う少女――変態魔法少女たちを。

 彼女らの戦いは、まだこれからだ。


 ――さあ、もっと面白くなってくれよ。


 期待を込めて、ワタシはこの場を去った。

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魔法少女 マジカル☆ドヘンタイ 沼米 さくら @GTOVVVF

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