第8話

そんなシノとの時間も楽しく過ぎていき冬になった。


『もうすぐ英語教養クラス替えじゃない?僕達そろそろ離れちゃうかもよ?』


「そんなわけないよ、僕はずっと一位で、君は二位でしょ?離れないよ、シノがビリにならなきゃね」


『酷いなあ。サクマに英語はかなわないな』


「英語だけでもシノより上なんて光栄だよ」


ははっと可愛く笑うシノを、僕は本当に好きになっていた。


冬が来てシノの首はマフラーで覆われていた。

Sクラスの天使の君がCクラスの教室を覗いて僕に手を振るのが日常になっていた。


『サクマ〜!僕もマフラーつけてきたよ〜』


「声でかいよシノ!」



恥ずかしい、そんなわけない。

この学園で一番美しい彼が僕の友人だなんて本当に光栄なことだ。



『今日、英語教養クラス発表だね!この前のテストまた二位だったからサクマとはまた一緒だよ』


「うん、僕もこの前は一位だったよ。また一緒だね」



Cクラスの連中は僕達のそんな会話を聞いて馬鹿にしている。


姫かよ、仲良しごっこかよ、Sクラスのやつは馬鹿にしてきてんだよと。



許せなかった。シノを馬鹿にするやつを。


でもそんな僕の手を握ってシノは笑った。



『じゃあ、あとでね』と。

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綺麗だねの園 ハルノ @lie_story

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