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――――駄目だった。
周りには死体の数々が落ちている。
目の前には青い髪の青年。――――元凶。
「もう何度目だよ。いい加減諦めな」
「……。」
「”そいつら”を助けるなんて無理なんだよお前には」
そう言いながら近付く青年。一番近くの死体を蹴りながら語り掛ける。
「そいつの意思は絶対だ。"絶対"に意思を曲げない」
近くにはフードを被った人物。性別すらも分からない。
「でも」
「それでも、今までで一番近付いた。元凶の貴方にも初めて会えた」
鍵を握りしめる。
「またタイムリープか?知ってるだろそれはタブーだって」
「タブー?」
少女の隣に居る男性が嗤う。
「そんなもの私が"破壊"する」
――――――――
「はぁ」
「どうしたんだい
溜息を吐く
「惜しかったのに……今度こそいけると……」
「確かに。まさか元凶がアイツだったとはな。不意打ちさえ取られなかったらぶっ殺してやったのに」
微笑む。アンタ、目が笑ってないわ。
「
「はいはい最強最強」
「むぅ。もふもふさせてやらないぞ」
「それは困る」
「……お前らか俺を呼んだのは」
そんな時待ち人が来たようだ。
「ああ、待ってたぜ
「要件とは何だいきなり連絡が来たと思ったら……。しかも最高司令官の秘密ってなんだよ」
「やっぱこれいらない」
そう言って飲んでいたコーヒーを返却口へ返しに行く
「おい」
「あ、ああすまん最高司令官の秘密な」
最高司令官。公安警察の最高司令官は滅多な事で動かず職務室から指示を出していると噂の居るかどうかも分からない存在だ。噂によると本当は居なくて事件を起こしにくくするため、架空の人物として作られたと聞く。
「最高司令官はいるぜ。私の知り合いだ、なんなら会わせてやれる」
「マジか……証拠は?」
「これ。最高司令官の電話番号だ」
手に持っているのは電話番号の書かれたメモ用紙。
「これをやる。ただし協力すると誓え」
「……断ったら?」
「断る理由なんてないだろ?お前彼女の敵討ちがしたいんだろ。」
「じゃあ先に連絡してみろよ。信じられるかそんなの」
その時不意に
その瞬間首が弾けた。
一瞬の事で何が何だか分からなかった。痛みさえ感じなかった。
――――ああ俺死んだな。
それだけがやたらと冷静に理解出来た。
はずだった。
「あ、れ……?」
弾けたはずの首が付いていた。普通に呼吸も出来るし声も出せる。勿論痛みなんて感じない。
夢だったのか?それとも。
「"破壊"したんだよ」
語り掛ける
「お前の首を破壊した後にその『事実』を破壊した」
破壊……?
「私の『
「……無理やり服従させようってか?」
「そういう事だ」
「お前性格悪いな」
「ははっ、よく言われる」
一瞬自分の持つ”猛毒”の
そう思い留まった。
「ふぅ、ねぇねぇとーか。なんでコーヒーってあんなに苦いの?ガムシロップ入れたのに」
「
そう言う
この女……
「あ、
――――それで起きたのがあの人質事件だった。
『主人公』を誘い出すための作戦。
どうやらこの二人組は主人公を仲間に引き入れたいらしい。
詳しくは教えてくれそうな雰囲気になかった。
まぁ、結局作戦は一人のイレギュラーの乱入により失敗に終わったのだが。
――――――――
「朝。」
「おはよう
今日、×月×日某日。『主人公』を仲間に引き入れる日だ。
「私も付いていくよ。毎回あいつ……」
「まぁ、私に何かあったら貴方が助けてくれるでしょ?」
「……当たり前だろ」
「頼んだわよ。相棒」
そう言って手をグーの形にしてこちらへ突き出す
全く君には敵わない。
「勿論だ。相棒」
その小さな手に自分もグーでタッチを返すのだった。
……まさか職員室から出られなくなるだなんて知る由もなかった。
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