3頁
トウキョウ都立総合高等学校。
名前の通り総合科であり、一般的な教養科目は勿論のこと超能力についてや
今日は月曜日、登校日だ。大体毎日同じような生活で飽きている学生がほとんどで、休み時間にスマートフォンをいじったりしているような学生が多い。所謂緩めの高等学校なのである。×月×日某日、この日もいつも通りの一日が過ぎる事だろうと誰もが思っていた。だがこの日は違ったのだ。
「先日から
ざわつく教室内。彼女はクラスの人気者だ。心配する友人も多いだろう。
「静かに。何か知ってる人が居たら早急に先生に伝えるように。それと――」
教師が一息吐いたところで教室の扉が開き、人が入ってくる。
「今日からこの学校に通う事になった転校生二人だ。仲良くするように」
「どうもー
クラスの全員が一様に思った。
(何故ひよこを)
彼の肩には相変わらずひよこが乗っていた。しかもサングラスまで室内で付けている。
「……
「なんと!?それは無理な話ですよ先生。何故なら僕の目は――見え過ぎる!」
意味が分からないというようにサングラスを取り上げようとする教師。
しかし一向に
「このひよこ、エクス=ハイ=ヒヨグースは別にいらないからサングラスは勘弁!」
「……後で職員室に来なさい。」
教師はどうやら話が通じない事を察し、諦めたようだ。多分後でこっぴどく叱られるだろう。
「……
クラスの全員が一様にまた思った。
(何故狐を)
「
彼女の制服は一般的には付いていないレースやフリル、リボン等が沢山付いていた。オマケに腕には桃色の年季の入ったリボンが巻いてある。
「今の時代、みんなが同じ制服だなんてアンタ遅れてるわね」
「さやちゃん!その制服かわいいね!」
「アンタは黙ろっか」
「……
「ちょっと!刀……その子はダメ!」
どうやら狐は
結局狐もひよこも教師が連れて行ってしまった。
――――
「
何で。何でまた会うんだこの人と。しかも前の人質の女性も一緒じゃないか。
もうこれは腐れ縁というやつだな。
「何ですか
「あっくんでいいよ。」
「
「コラム。臣做くんといいさやちゃんといい僕に冷たい……っと」
謎の本に右手でメモを取る
「SAVIORS?」
「お?この本に興味があるのかな?」
SAVIORの意味は確か”救世主”だったはずだ。最近習ったので覚えていた。だが複数形?
となると。
「救世主がたくさん出てくる本なんですか?」
「惜しい!救世主は一人だよ」
「一人なのに何で複数形……?」
「それは」
――――僕が他の救世主を認めないから、だよ?
その時の
何か闇を抱えているような、そんな顔だ。いけない地雷を踏んだか?
「まあでもタイトルは残念ながらSAVIORSなんだよねぇ。」
複数形の”S”を消してしまおうか。だなんてブツブツ言いながら本をペラペラめくる。
「ん?」
僕はそれを見つめていたのだが、おかしなことに気付いた。
「その本、作者名が書かれていないんですね。執筆者は一体」
「それは教えられない」
また冷たい顔。どうやらこの本について詮索するのは辞めたほうが良いらしい。僕の勘がそう告げている。
「あ、職員室行かないといけないんだった」
そう言って逃げるように
――――
「はぁ、困るよこの本に感付かれちゃあ」
そう呟いて職員室へと向かう
「ちょっと」
少女の声がした。
「アンタが転校してくるだなんて聞いてないんだけど」
「え?いいじゃない運命的で」
きょとんとした顔で返す
「今までこんなことなかったのよ」
「転校生は毎回私一人。強盗事件の時もアンタは居なかった。
「……何が言いたいの?」
「アンタ一体誰?」
冷たい空気が流れた。
そこには誰も干渉する事の出来ない空間が生まれていた。
「――――
「僕が
「……。」
「貴方は
「だって貴方は」
――――死んだじゃないの。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます