呪いの装備品との、正しい? つきあい方。
月白ヤトヒコ
第1話
呪われた装備品。
それは、様々な事情といわくに拠り、通常の装備として扱うことが困難な武具、防具のこと。
ある剣は、握ると血を求めてやまなくなる。
ある剣は、握ると理性を失い暴れ狂う。
ある剣は、強大な力を振るえるようになるが毒が回って持ち主を苦しめる。
ある鎧は、装備すると使用者の精気を喰い尽くす。
ある弓は、必中と引き換えに使用者の視力を奪う。
ある槍は、振るう者の血を代償とする。
ある盾は、使用者の感情を喰らう。
ある杖は、莫大な魔力と引き換えに記憶を代償とする。
ある魔導書は、持ち主を不死者へと変える。
ある物は………………etc.etc.
そんな危険極まりない呪いの装備品だが、やはりある程度の有用性は認められるだろう。
呪いのリスクをコントロールできれば、装備品として効果的に運用することが可能になる。
今回は、そんな呪われた品々とのつきあい方を記した本を紹介しようと思う。
꙳✧˖°⌖꙳✧˖°⌖꙳✧˖°⌖꙳✧˖°⌖꙳✧˖°⌖꙳✧˖°
みんなは、呪われた物は持っているかな?
呪われた物は、呪われているからいろんな悪いことやリスクはあるけど、攻撃力や防御力が高かったりするよね。
「呪いさえ無ければとてもいい品なのに……」
そんな声はあちこちで上がっているんだ。
「ただでいい物拾ったと思ったのに……」
「呪われているから、下手に売ることもできない」
「保管するにしても、非常に気を使う」
「持っていることを知られるのもヤバい」
「浄化するのも大変」
そんなみんなのお困りの声に応えて、我が家に伝わる呪いの装備品とのつきあい方を教えるよ。
※ちなみにこれは、呪われた品々との無理矢理なつきあい方だから、呪いを浄化できる手段や伝手などがある人は、素直に呪いを浄化した方がいいかもしれないね。
呪われた品々とのつきあい方。
まず、一番必要不可欠で大事なものは、強靭で頑健な意志と体力だよ。
※呪われた品に触れて、すぐにその呪いに当てられて意識が乗っ取られたり、理性を飛ばしたり、殺人やその他様々な衝動を抑え切れないような軟弱者、またはあまり体力に自信の無い人、虚弱な人達は、心身共に鍛えて出直してね!
そして、用意するのは呪われた装備品。
無ければ適当なダンジョンや、いわく付きの廃墟、瘴気漂う土地やお墓なんかで如何にも怪しい物を拾って来よう。
※呪いの品を触って心身に異常を
※犯罪や血生臭いこと、悪魔召喚などをして、呪いの品をわざと創り出すのは絶対NGだよ!
※そして、呪われた物はなるべく頑丈な物を用意してね。壊れ物や脆かったりする物は、この方法を試すには向かないからね!
呪われた装備品が用意できたら、聖属性の付与魔術。聖属性付与ができなければ、聖水など。それらも無い場合は、聖地や清らかな土地、場所に落ちている石や木の枝でもOK。
※聖地や清らかな土地に拠っては、その場から小石一つ、砂粒さえも持ち出すことが
それらの注意点を全部クリアしたら、早速呪われた装備品とのつきあい方が始まるよ。
まずは、呪われた品を手に持ってね。
※このとき、喋る系の品がなにを言って来ても、絶対に無視してね!
※声を無視できなかったり、うっかり耳を貸しそうになっちゃったりしたら、もう一度精神を鍛えて出直してね!
※呪われた物がなにを言っても、精神に悪影響を及ぼそうとしたり、乗っ取りを仕掛けられても全然平気な人だけ、先に進んでね。
呪われた品を持ったら、聖属性を付与した拳や物(聖水を掛けた物や聖地に落ちてた小石や枝なんか)で――――ひたすら呪いの品を殴ろう!
ひたすら打つべし! 打つべし! 打つべし!
呪いの品がなにを言ってもずっと無視さ。
どんどん殴ろう!
殴って殴って殴って殴って殴って殴って殴って殴って殴って殴って殴って殴って殴って殴って殴って殴って殴って殴って殴って殴って殴って殴って殴って殴って――――――――――――
※右腕が疲れたら左腕で殴ってね。
呪いの
※呪いの
※抵抗の度合と、施術者の心身が軟弱だったりすると、殺されちゃったり、呪いに取り込まれることもあるから気を付けてね。
呪いの
※そしてこのときには、物理的に呪いの品を壊さないよう気を付けようね!
呪いの
見事呪いの
※このとき、屈服した振りをして、持ち主を
※加減を間違えると、完全に浄化されて普通の装備品になっちゃうから気を付けてね。
以上、みんなも呪いの装備品を屈服させて、装備品を効果的に使ってみよう。
꙳✧˖°⌖꙳✧˖°⌖꙳✧˖°⌖꙳✧˖°⌖꙳✧˖°⌖꙳✧˖°
時間に余裕があり、心身共に強靭で頑健であるなら、試してみるのもいいだろう。
※試してみてなんらかの事故や不幸が振り掛かっても、当方は一切の責任を負わないが。
『呪いの装備品との、正しいど突き合い方』より。
呪いの装備品との、正しい? つきあい方。 月白ヤトヒコ @YATO-HIKO
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます