第7話
「でもね、なぜか、死ぬ前にもう一度あの文房具コーナーに行きたくなって、また部活をサボって本屋に寄ったの。そこで見つけたのが花からの返事」
「嬉しかったの。自分が素直に嬉しい、って思えていることも嬉しかった。久しぶりだった、こんな感情。やり取りを始めてから、明日も来よう、明日も生きよう、って思えた。私はこの時間が好きなんだ、って思えた」
私はなぜか涙が止まらなかった。
「ありがとう、花」
マキが私の涙を手の甲で拭い、手の甲を自分の唇にそっと当てた。
「ふふ、しょっぱい」
私達は久しぶりに文房具コーナーに行き、ずっと試し書きをしていた黒のボールペンをお揃いで買った。
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