或る少年の夜更かし散歩

舞黒Glam

午前3時

人が寝静まった時間

人によっては深夜という人もいれば朝という人もいる

夏であれば日がだんだん昇ってくる曖昧な時間帯


夜更かしをして眠れなくなった僕は外に出て歩いている

幸いこの辺は都会ではないため警官が徘徊していることはない

街灯がポツポツと灯っている道を意味もなく歩いている

目的はない

唯々淡々と足を動かしているだけ


歩いている人もいなければ車も走っていない

まるで世界から僕だけが残されたかのような

疎外感を感じる

暖色の街灯と不気味な空気



午前4時

朝と定義する境目の時

道を歩いているとすれ違う人が出てくる時間帯

夏だと太陽は出ていないが光なしで歩ける明るさがある


この時間に外に出てる人は

散歩目的の老人か、犬の散歩をしている人が大半

前者も後者も当て嵌まらない僕は何がしたいのだろう


人が居てもいなくても疎外感は変わらない

「おはよう」

声を掛けてみても返ってこない

やはり僕は人と違うのだろう


だってほら

まだ眠くない



午前5時

早起きといったら大体この時間を想像する

太陽の顔が出てる時間帯


食事を作ったり、トレーニングのために走ったりと

活動が活発になってくる

色んなことから目を背けたくなる


人が、あいつが、自分が、

嫌いになってくる

もう僕を忘れてくれ


もう十年だぞ



午前6時

仕事、学校の為に起きる人が多い

普通の人はこの時間に起きる、嫌いな時間帯


学校はもう暫く行ってない

行っても意味がない

このまま死んだ生活を送っていくのか


あいつが居れば変わってたのかな

もう手遅れ

誰とも目が合わない


じゃあ

おやすみ

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