最終話 復讐と感謝

 臨終前、はわたくしに

「納棺の時に私の財布の中の封筒を柩に入れて欲しい」

と頼んだ。


 封筒の中身は缶の中と同じ「あの人の写真」であった。母とはタイプの違う美少女であった。


 結局、の心の中にはあの人しかいなかったのだ…



 わたくしは母を騙し続けた復讐いたずらを思いついた。

 わたくしは封筒にあの人の写真と母のの写真を入れ、柩の中へ入れた。

 天国へ逝った時に、はとても驚くであろう…



 また、ノートの文章を整理してweb上に残す事にした。なるべく抽象的に固有名詞や地名を避けて、時期や場所を特定出来無い様にした。重要な事項は関係者が観ればハッキリと解る様に書いた。

 名前はそのまま書く訳にはいかないので、「あの人」と「彼女」にした。



 web上に上げた事で、偶然に「あの人母と同じ名を持つ人」や「彼女わたくしと同じ名を持つ人」がこの文章を見つけた時に

は一生涯、あなたあの人を愛し続けていました」

は一生涯、あなた彼女に対して謝罪と償いを行っていました」

と、それぞれに伝えたいと思っていた。



 そして、

「2人と同じ名を持った母娘は、で地獄から救われました」

と、感謝を伝えたいとも思っていた。


 わたくしはスマホで文章を書き始めた…



葬送感謝編 終わり


Vollendet das ewige Werk

(我が悲願 成就せり)



追記:

後書き言い訳は『わたくし週報』に書きました。

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「わたくし」が知っている「彼」についての幾つかのこと わたくし @watakushi-bun

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