だれかの空っぽ
何不自由ない暮らしで 笑うこともできる
それでも社会の基準から いろいろなところがずれているから
足元は泥のようで 薄い霧は かかったまま
「いらない、いらない」と 欲しがらなかった
そのくせ 「さびしい、さびしい」と 泣くのは
僕が甘えている証だ
何かを得るには失うものがある
僕にとって その失うものは あまりにも多かった
子どものように笑うことも 泣き叫ぶことも
できない僕は どこまでも中途半端で
彼のように誰かに灯りを
彼のように誰かにナイフで
与えることが
突き刺すことが
できないと嘆く僕は 外から見れば
汚れた みじめなフリをした
ただの空っぽ
詩という言葉 日野 青也 @0113__akira
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