第15話 KAC2024 第3回お題「箱」っぽいお話

 ※KAC2024 第3回お題「箱」っぽいお話です。(このお話は、かなり途中までのんきに下書きして、「卵のエッセイ」に保存しておりました。KAC2024 第3回お題「箱」には不参加で、タイトルだけお借りしております)


「あー、まあ、今日は、昼間は電話待ちで、あまり仕事はかどらないと思うし、病院行ってきていいよ」

「…………」


『つまり夜なべしろということですね……いいけど、年度末に病院へ通えるだけ御の字か……』


 めまいと立ち眩みが治らなくて、役に立たなくなった、戦力外通告寸前のわたしは、そんな会話のすえ、先着順の大病院に、受付の一時間前から、頑張ってシャッターの降りた受付前で待機しておりました。


 それからようやく受けた診察で、「寝不足やらなにやらで、自律神経がやられているんじゃない?」そんなことを適当に、丁寧な言葉で言われましたが、念のためMRIを撮ることに……。


 カクヨムを読みながら、また数時間待機して、撮影用の入院着に着替え、念入りな金属チェックのあと、めまいに加えて、とんでもなく視力の悪いわたしは、おぼつかない足取りで、MRIの撮影部屋? のベッドに転がっていました。


 そしてなんとか、わたしは、無事にMRIの『箱』中に格納され、耳栓をしてもなお、とんでもないアラートや爆音に包まれながら、途方もないことを考えてました。


 審判のラッパでも鳴って、この病院から最後の希望を託されたロボットでも出撃しているのだろうか?

 国民の常識として、押さえて置きたい、エヴァンゲリオン、まだ見ていないけど、あんな感じの……。


 で、MRIは、膝で体験済みなので、正直、たかをくくっておりましたが、なんだか生鮮食品になったような白い『箱』で、念入りに頭を固定され、身動きできないように、体を固定(拘束)されたときは、「無実! なにもしてないです!!」そんなことを考えてしまいながら、内心、脳からなにか飛び出してたらどうしよう?


 そう思いつつ、その日は、「結果発表は今度ね」そんな感じのことを言われ、一週間後、またまた病院に足を運びましたら、「ちっちゃい脳溢血してましたね。(過去形。そして、頭の中ぐらぐらだったので、あやふや)普通もっと年取ってからなんですけどねー」などなと言われまして、本気で戦力外通告になってしまい、しばらく投薬やらなにやらと、別の意味で頑張る年度末に。


 皆様、なにかとお忙しいでしょうが、めまいや立ち眩みが続くときは、病院の『箱』に迷わず飛び込んで下さいませ。


 親より先に脳溢血の記録を作ってしまった、ほぼ養生中の、歴史物とエッセイ大好き人間、ポンコツ相ヶ瀬モネ 拝

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