第11話 主は来ませんでしたの巻

※十月半ばから十一月半ばにかけてのお話です。


「主は来ませり~主は来ませり~♪」


 実は、亡き祖母がカトリック教徒。幼い頃は教会に連れて行ってもらい、ヴェールまでかぶせてもらったりしていたにも関わらず、なにを教えてもらっていたのか、なにひとつ覚えていない不埒者、それがわたしです。(祖母には実に申し訳なく、会わせる顔がない……)


 そんなわたしですが、十月の半ばは治るかに思わせて、再びぶり返した歯痛(激痛)を、鎮痛剤でごまかしながら、ハロウィンをすっ飛ばして、狙っていたクリスマス限定コフレのweb抽選予約で、ひとり盛り上がっておりました。(※知ってるよ! そう言われるかもしれませんが、実は、コスメ界隈は、ハロウィンより前に、すでにクリスマス限定発売の予約情報で沸き上がり、あふれかえっていたのです。)


 で、結果……信心のなさが響いたのか、見事に外れてしまいました……。(店頭の予約には用事で行けませんでした。)


 そんな訳で十月は、エプソムソルトを大きなスプーンですくい、バスタブの中に、ばさばさとまき散らしながら、お湯の中で膝を抱えて落ち込んでおりましたら、気づけばハロウィンも終わり、十月すら終わっていたのです。


 それから不幸は続くもので? ある日、おうち用の眼鏡が、ぐにゃりと音を立てたような、そんな感覚と一緒に、手のひらの下で、フレームごと歪んでしまうという悲劇……。


『うそ! これ、修理してもらうのに、わざわざ、あの人込みへ?!』


 そう、わたしの眼鏡は、とある巨大商業施設に入っているメガネ屋さんで、偶然ひと目ぼれした品で、普段の行動範囲とは、かすりもしない立地にあり、修理を頼むとしても、お店に到着するまで、電車に乗って、かなりの人込みを超えてゆかねばならなかったのです。(自業自得)


 でも、外ではコンタクトだけれど、やっぱりメガネがないと、生活に差し障りがあるし……。


 しかたなしで意を決し、電車に揺られ、人込みを通り抜け、なんとかかんとか、メガネ屋さんまでたどり着き、「折れても責任とれないですよ……」そんなことを言われたものの、結果的にはキチンとフレームを直してもらい、無事に帰宅……。


『は――やれやれ……』


 そう思いながら、おうちで紅茶を飲んでいた翌朝、みごとに酷い風邪を引いておりました。


『禍福は糾える縄の如し』


 これからどんな良いことがあるのか楽しみです! ちなみに数年ぶりに買った宝くじは200円当たり、歯痛は落ちつきました。


 最近、とんでもない気温の変化ですが、みなさまどうぞご自愛くださいませ。


2023年11月某日





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