第34話 生き埋め
スカルの首を異空間収納に入れないのはスカルが生きているからだ。
不死の軍団の団長が簡単に死ぬわけはない。
首を切り落とそうが此奴は死なない。
生き物は異空間収納に入らないから袋にいれてもっか走っている。
「貴様、私をどうするつもりだ!」
「そうだな、死より辛い日常が待っている、そう思った方が良いな」
「ならば、一思いに殺せ..それで良かろう..武人として..」
「騙されないよ? この頭を壊すと体からまた頭が生えてくるんだろう?」
「貴様が何故それを知っている」
「さぁな、だからこのまま痛みつける..」
「血も涙もない奴だな..何時か魔人に殺されるが良い」
(もう一つの秘密は知らないようだ..このまま胡麻化せば問題ない)
「言って置くが俺は魔王軍と戦う気はない..お前にだけ復讐したからこれで終わりだ..だから死ぬ気はさらさら無い」
「私はお前など知らん」
「まぁ、俺は知っているけど..今回は違う、知り合いの復讐だ」
「私は魔族だ、なら仕方ないのだろうな」
袋越しに話してもつまらないので猿轡して再び放り込んだ。
しかし、この目は酷いな..スカルがロマンスグレーのおじ様に見える。
女だったら..考えるのはやめておこう。
ようやくアルマンの街についた。
入口の近くにいる、子供冒険者に声をかける。
こういった、街の入り口には子供冒険者が居る事が多い。
子供冒険者とは冒険者見習いだ。
将来、冒険者になりたい子供が小遣い稼ぎでしている、何でも屋だ。
「なんか俺にようがあるのか? 仕事か?」
「仕事を頼みたい..僕の仲間をここに呼んで来てほしい」
「怪物王子の仲間って..」
「頼んだぞ、ほら代金の銅貨3枚だ」
普通なら、ただ呼びに行くだけで銅貨3枚なら美味しい仕事だ。
だが、僕の仲間は普通の人間からしたらアレだ。
とはいえ、仕事だ。
子供冒険者は嫌な顔をしながらも銅貨を受け取り。
「ありがとう..」
お礼を言うと走り出した。
まぁ、ちゃんとした仕事だ..頑張れ..今夜悪夢を見ようが僕は知った事ではない。
暫く、待っていると4人全員が此処に来た。
「セ.イ.ル、話はエルザから聞いたわ」
ユリアの声が怖い...かなり怒っているのがわかる。
スワニーを見た。
「今回はお肉でもダメだわ..スワニーも怒っているわ」
今回はスワニーも買収には応じてくれないらしい。
「まぁ私は立場的には怒れないが、悪いが助けもしない」
いや、エルザは騎士だよね? 忠誠心があるなら助けて欲しいな..
「それでなアイル」
「危ない事はしないでください」
「いや、だけど」
「仇討ちをしてくれるのは嬉しい..ですがセイル様が死んだり、怪我したりするのは辛いんんです」
流石に泣くのはずるい、何も言えなくなる。
「解ったよ..もう危ない事はしない..約束する」
「解ってくれれば良いんです..仇何て打たなくて良いですから..私は大丈夫ですから」
あれっ..もしかして仇を討ってないと思っているのかな..
「じゃじゃあん」
「なんですか? その袋は..私の話を聞いてください」
「これは、スカルの首です!」
「「「スカルの首」」」
スワニー以外は驚いたようにこちらを見ている。
「ちなみに、まだ生きています」
「セイル殿、確かにスカルの首だが、まさか本当に倒したのか?」
「流石スワニーのセイルだわ..本当に強いわ」
「セイル、そんなに強いならなんで同行してくれなかったの?」
「ユリア、それについては後で話す」
「そう、ちゃんと納得いく説明をしてくれるのよね?」
「ちゃんとする」
怖いよ、真面目に怖い、マモンよりも遥かに怖く感じる。
これは..刷り込みなのか..
「それで、その首をどうするのですか?生かしておく意味があるのでしょうか?」
「アイル、此奴はな不死なんだ、実はこの首を殺せば、残った体から首が生えてくる」
「そうなのですか?」
「そうだ、この首を殺すことはある意味こいつを助けた事になるんだ」
俺は此処でスカルの猿轡を外した。
「ほう、その娘の関係者か、なら恨むのも仕方ないな...だが私は不死だどうやって仇を討つのだ..無理な話だ」
「いますぐ殺してやりたい」
「それじゃ助けたことになるんだ、このまま何処かに埋めてしまう、そうすれば一生此奴は暗い中でただいるだけだ」
「ほう、そこに気が付いたか..人間とは恐ろしい事を考える者よ..確かにそれが一番」
「それしか無いのですね」
「スカル..バーカ、その手には乗らない、このまま頭を生かしておけば体が暫くしたら死んで新しい体が生えてくるのだろう?」
「お前、知っていたのか?」
「ああ知っていたよ..だからこいつが一番嫌がる方法を考えていたんだ」
「嫌がる方法ですか?」
「だってこれはアイルの復讐なのだからどれ程残酷にしても足りない」
「それでどうするんですか?」
「運よく、途中で良い物が見つかったんだよ..これだよ..」
「箱ですか?」
「死んでいた商人の馬車の中にあったんだけど、貴重品を入れる為なのかかなり頑丈だ」
「そんな物をどうするんだ」
「凄く分厚いなこれ、此処にスカルの頭を入れて土に埋める..それだけだ」
「それだけなのですか?」
「良いか、これはかなり残酷だぞ..スカルの体は一瞬で生えるわけではないから箱の中で徐々に生えてくる」
「お前まさか.」
「そうだ、体が滅んだあとはこの中で体が生えてくる..いかに強靭な体でもこの箱の強さには敵わないから変形していくだろうな..痛みも伴って」
「それは面白そうですね」
「箱の中でこれでもか痛みを伴い変形して奇形になって生き続けるか..はたまた押しつぶされて死ぬ、体全部が揃っているならいずれにしても此処からは出られない...こんな物でどうかな」
「それしかなさそうですね...」
僕はスカルの首をアイルに渡した。
「はい」
「やめろ、やめてくれ..頼む、なぁ..」
「貴方は私が泣き叫んでもやめなかった...そんな私が辞めるとでも?..さようなら」
「いやだああああああああああああああっ」
アイルは箱の蓋を閉じて施錠した。
そして、その後皆んなで深く穴を掘り埋めた。
「ふぅー疲れた、今日はシャワーを浴びて美味しい物でも食べに行こうか?」
「何をいっているのかな?セイル..今日はこれから長いお.は.な.しがあるのよ..食事はまた今度だわね」
多分、スカルの次に不幸なのは僕だ...
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