第5話 Web小説と文学の融合は共倒れ

 そのため、鬱のクライアントには、物事を説明するために考える、という行為そのものをストップさせ、理性の蓋を少しずつ開けながら、自分が感じたことにコンタクトできるような質問を、カウンセラーは投げかける。


 考える行為そのものをストップさせる目的は、人は何かをと、しまうから。

 極端な話、セックスしている最中に、「明日、会社に行ったら朝イチで営業先にメールして」なんて考えてたら、絶頂なんて感じられるわけがない。



 筆者はBL畑の人間なので、エロな例え話しか浮かびません。すみません。

 ですが、こんな風に、クライアントの感情の起伏をセーブさせたい場面では、考えてもらうようにする。

 逆に鬱傾向にあり、理屈っぽくて頭でっかちになり過ぎてるなと思ったら、情動を揺り動かすような質問を投げかけて、水を向ける。


 カウンセラーは躁うつ双方、それぞれの傾向に欠けた方向性を取り戻させる。

 それが役割のひとつです。



 しかしながら、上記したように、人は何かをものすごく感じている時、何も考えることができません。

 そして、何かしら思考している最中は、感情の起伏はセーブされる。


 私は、Web小説は、喜怒哀楽の振れ幅を楽しむため。

 文学は考えたいから読むのだと、書きました。


 つまり、Web小説に文学的要素を持ち込むと、読み手は感情体験をセーブされ、

だんだん白けてしまうでしょう。

 同様に純文学に、やたらハイなWeb小説要素を持ち込めば、読者には作品がに思えて興醒きょうざめがする。

 感情と思考が相殺しあう関係にある以上、Web小説と文学は、相容あいいれません。


 結論を言うなら、まずムリです。

 Web小説は、Web小説。文学は、あくまでも文学です。




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