【RTA】異世界婚約破棄 暴力ざまあチャート 0:19:05
ウミウシは良いぞ
第1話
「お前との婚約をここで破棄する!」
ここは学園内にある大講堂。今日は卒業パーティーが開かれており、卒業生と在校生が出席している。
そして、私に向かってそう宣言したのは、この国の王太子であるレオンハルト殿下だ。
ちなみに私はこの国の第1王女で、名前はエリーアス・シュミットは……まあいいや。今はそんな事はどうでもいいしね。
(さあここからタイム計測スタートです。)
レオンハルト殿下の後ろでは、私の双子の姉でもあるクリスティアーネが勝ち誇ったような顔をしていた。
(ここで無駄な反応をするとセリフが入ってしまうためタイムロスになってしまう)
「おい、聞いているのか?」
「はい?えぇもちろん。『雷神の加護』」
「だったら何故そんなに平然としていられるんだ!?俺とお前との婚約は解消になっ「『縮地』」
(ここで縮地ッ!!!一呼吸の間にそこそこの距離を移動できるスキルだ。対人戦でも上位陣は使う人が多いスキルです。)
エリーアスは瞬き一つの間にレオンハルトの手前まで移動する。同時にこぶしを突き出す
「ぐはぁ」
(この断罪イベントでは基本的に武器の携帯が禁止されているため拳でダメージを与える!!)
レオンハルトは”く”の字になり吹き飛ぶ。
(よし!いい感じに決まったぞ!雷神の加護によりレオンハルトはスタン状態の為動けない!これは会話をスキップ出来る新しい裏技か!!)
「貴女、レオに何「『王の威厳』」
周囲の人間はいきなり相手に殴りかかった異常者を止めようとするが、背筋が凍るような殺気によって動けない。
(ここで王の威厳ッ。中々練られているチャートですね。通常、次は王が出てくるのですが異変を感じた衛兵が出てくるので少しタイムロスになるのではないでしょうか)
しかし、エリーアスは止まらない。
「義父様にはもう話を通してあるわよ。貴方はただの飾り物だって。それにしても無様な姿ね。それで本当に次期国王になれると思っているの?こんなところで寝ている暇があるならもっと勉強して強くなってから出直してきなさい。あとその汚らしい手で私に触れてこないでもらえますか?気持ち悪い」
そう言いながら『女王の嘲笑』を発動させレオンハルトを蹴り飛ばす。
「ひゃい」
「それでは皆さん。良い夜を。『愚者を従える
(覚醒スキルを最後に発動、うーーーーーん。なるほどこの効果は自分に畏敬するものに対する忠誠が最大値まで上昇するというものだ。)
そして、エリーアスはこの場を去った。
◆
エリーアスが去った後、すぐに衛兵が現れレオンハルトを保護した。
衛兵はレオンハルトを抱え会場の外へと連れ出そうとした時、一人の女性が声を上げた。
「待ちなさい!!」
その女性はクリスティアーネだった。
「レオ!!私との約束はどうなったのよ!!!」
「すまない。私は何かに憑かれていたようだ。真実の愛はすでにあったのだ。」
「そんな……」
そう言って彼は去っていった。
◆
「はい、お疲れ様でした。タイムは19分05です」
「やったああああああああああああああああああ」
「試行回数は245周回ですね。20分を切ったのは初めてじゃないですか?最初のスキル確保も一瞬でしたし、このチャートだと最速なんじゃないですかね」
【RTA】異世界婚約破棄 暴力ざまあチャート 0:19:05 ウミウシは良いぞ @elysia
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