無自覚に転生した主人公ですが、転生前の記憶を微かに引き継いでいることでこの世界を楽しむ視点を持つことになったのかなと感じました。
そんな主人公を溺愛するシスターが偏愛的で一癖も二癖もありそうで、なおかつ主人公がそれを人いs気しながら受け入れるという構造的な受けと攻めと、精神的な受けと攻めが正反対に配置されるのが面白い所です。
この二人のやりとりを追うことがそのまま物語に直結していて、自然とキャラ小説→ファンタジーが有機的に結びついているように感じられました。
自らに課せられた能力の謎を少しずつ段階を踏んで紐解いていくところは、ちょっとしたミステリチックであり、推理のための材料を集めるくだりはワクワクさせてくれます。
ここから先は私の想像なのですが、主人公が受けている加護には運命をつかさどる神の名前があり、モイライという三女神は糸と関係のある存在として実際の神話で描かれています。となると、主人公は何かしら運命に関与したりするようなポテンシャルを持っていると考えるのが自然です。
この想像が当たっているのか確かめるためにも、この物語を追いかけていきたいと思います。