終、それからの二人

「おこんさん、ただいま」


「おや、早かったねぇ。夕飯はまだだから少し待っといておくれ」


 お紺は、佐助さすけの妻として幸せな生活を送っていた。


「あ……お紺さん、尻尾が出てますよ」


「え!?……もう、また出ちゃってたかい」


 お紺は恥ずかしそうに自分の尻尾をで、引っ込めた。


「ふふ……お紺さんのそういうところ、可愛いですよ」


「……うるさいねぇ」


 お紺は照れたように呟いた。


「あたしのことはいいから、服を着替えてきな!」


 佐助は笑って部屋を出て行った。

 その後姿を見ながら、お紺は小さくため息を吐いた。


(まったく……あんなこと言われたら、ますます惚れちまうじゃないか……)


 お紺はそう思ったが、決して嫌ではなかった。


 しばらくして、佐助が戻って来た。


「さ、食べようかね」


「はい」


 二人は向かい合って座り、「いただきます」と言ってから食事を始めた。


「あぁ……今日も美味しいですね!」


「そうかい?それはよかった」


 佐助は嬉しそうに食べる。その様子を見て、お紺は思わず笑みをこぼす。


「……?どうかしましたか?」


「いいや、なんでもないよ」


 お紺は首を横に振ったが、その顔はとても穏やかだった。


「お紺さん、愛しています」


「……あたしもだよ」


 お紺はそう言うと、佐助の手を握った。佐助も握り返す。


 そうして、二人は末永く暮らしたのだった───。

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奥さんは絵狐……? 夜桜くらは @corone2121

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