第8話? 人生とは死ぬことだ。
ああー死にたーい
昔、高校生の頃の夏休みだったであろうか、漠然とただ死にたいと思ったことがある。高校何年生の頃だったかなんてことは忘れてしまった。
ただ覚えているのはその時はとても「つまらなかった」ということだけだ。
何をするにしてもやる気がでず、あんなに好きだった本でさえも、ページをめくるたびに指が重くなってゆき、読めなくなっていた。
私は時間を潰すことにおいては読書以外なかったので、それができ無くなってしまったらすることが無くなってしまうのだ。
ただ、時間だけが過ぎる日々。
私はこのまま生きて何になるのだろうか、人生に意味はあるのか、何がしたいのか、なんで生まれてきてしまったのか、なんで私を産んだのだろうか、死んだらどうなるのだろうか……そんな感じの、多少哲学的なことを永遠に考えていたように思う。
でもいくら考えても結論は出なくて、これまた「つまらない」。
私の生活は「つまらない」に支配されてしまった。
「つまんない、つまらない、つまらない」
そんなことを言っているうちに何となーく死にたくなった。
死にたくなる、というのは別に辛いからそうなるわけではないと思うのだ。まぁ、その時の私は「つまらない」が辛かったのだろうが。
いいでは無いか、死んでも。
そんなことを言うと「命のありがたみが」とか、「今を生きれているだけで幸せ」なんて馬鹿なことを言っている奴もいる。
ホントになんも分かっていない。そういう奴は本当に死んでみようかな、なんて思ったことないんだろう。いやまぁ『死のうと思っていたけれど……とあることがきっかけで生きるのが楽しくなりました!!』みたいなことはあると思うのだけれど、そういうのは反吐が出るほど嫌いだ。大抵そういう文章の決まり文句は『人生は楽しい』とか『人生がつまらないのは自分のせい』みたいなやつばっかだ。気持ち悪い。
なんで人生を楽しまにゃいかんのだ。
それに「死にたい死にたい」言って本当に死ぬ勇気がないのが腹立つ。
私はその時、人生なんて本当にどうでもよく感じていて、何となく本気で死のうと思っていたのだ。
生きるのに意味がなく、生きるのに理由がないのなら、死ぬのにも意味も理由もいらないと思う。
死にたい奴は勝手に死ねばいいのだ。
親の願望で勝手にセックスして、勝手に産んで、そのくせ勝手に生きることは許されなくて、色んなことを強要する。
育成ゲームでもやってるつもりか?
言ってることがぐちゃぐちゃで、論理破綻もいいところだ——そもそもこれは論理ではなく、言いたいことを勝手に言ってるだけだ。
まぁ、とにかく死んでみたいと思ったのだ。
そうすると何故か周りがいつもよりも明るく見えたのだ。
どこで死のう——やっぱりあの海かな。
いつ死のう——なるべく若い時がいい
誰と死のう——やっぱり1人だろう
死ぬまでにしたいこと——特にないけど、幸せな状態で死ねたらいいな
……………………
死ぬために沢山のことを考えた。
そして悟った。
人生は死ぬためにあるのか
私は最高な死を求めるために今後生活していけばいいのか。
私はこれからどんな努力も厭わない。
なぜならそれはいづれ私を最高の死に導いてくれるものだから。
ああ、楽しいな。
そう思えることで、私は救われたのだった
幸せな自殺のススメ やすなり @sannkakujyougi
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