第1話 人攫いの森の悪鬼

「はあっ、はあっ、はあっ」


なんなんだよあいつ!突然現れたかと思いきや俺の仲間を一瞬で殺しやがった!


「くそっ!どうなってやがる、もしかして幻惑系列のスキル持ちか?」


考えても無駄だな、とりあえず逃げる事に専念


「見つけた」


ゴロン


あれ?なんか世界が逆さに、あっ、もしかして目の前にあるのって。


「おれのからだ」


ベチャ


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ザッザッザッ、はぁ。なんで見つかんないの?あいつらの巣を見つけて早くおねぇちゃんを助けないと。


「ここ、はさっき通ったから。次はこっちね」


というか、この森歩いても歩いても同じ所に来るようななってるとかどうなってんの?

さっきから探知スキルを使って探知しているから近くに何かいるならわかる筈。


「あっ!」


探知スキルに反応があったのでそっちへ走って行く。おねぇちゃんであればいいけど、って。あれ?


「男の子?」


男の子を拾った。


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グツグツと鍋を煮る音と野菜を切る音が聞こえる。

その主に気づかれないように立ち上がりそっと近づく。しかし。


「立ち上がってんの気づいてるからね、さっさと席に着いて事情を話しなさい」


どうやら既に気づかれていたようで食卓へと座る事になった。この女なかなかやるのか?

無言のまま数分が経過した、するとその女性はこちらへ料理を置き。


「とりあえずこれ、食べちゃいなさい。お腹空いてるでしょ」


と、食べさせてもらえる事になった。そして食べ終わり次第その女性は質問を次々に投げかけてきた。


「君は何故あそこにいたの?」


「任務」


「何処からの任務?」


「言えない」


「あっそ、それじゃあについて知っている事はある?」


「なんだそれは」


「知らないなら良いんだけどさ」


とりあえず質問の答えに満足したのか、その女性はふぅと息を吐いて考え事を始めた。

しかし、俺はそれ以上に気になった事があったので聞いてみる事にした。


「なぁ」


「なに?」


「さっきの」


「さっきの?あぁ、の事について?知ってどうするの?」


「恩を返したい」


俺がそう言うとその女性は考え込み、少しして口を開いた。


「それじゃあ奴等の巣を見つけてくれない?すぐそこの森にある事は分かってるんだけど、いかんせん森は迷いやすくてまだ見つかってないんだ」


女性はそう言うと此方を見てきた。

俺の返事は勿論。


「承った」


ここに契約はなった、後は依頼を完遂するだけだ。


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あの男の子が家を出て2時間。私ははっきり言ってやっぱりか、という思いが強い。今まで色んな人に依頼をしてきたがその悉くが失敗して帰って行った。


「やっぱり、私が探さないと」


そうと決まればすぐに森へ行く準備をして。

ガチャ


「!!!」


キィー

何かが入ってきた!?何が入ってきたの!?もしかしてあいつら!?その可能性は高い!?とりあえず斧を持っていつでも攻撃できるように。


「ただいま戻りました」


あれ?男の子か。

とりあえず報告を聞きに行くか、期待はしていないけど。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「見つかりました」




「はっ?」

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傭兵君は個人主義 @sodecaxtuku

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