おまけ「フェアリーと赤ちゃん」

 私はある春の日に人間の赤ちゃんを拾った。


 見知らぬ衣服をまとい柔らかでフカフカであったかい毛布にくるまれたその赤ちゃんにはなんだか軽くカワイイ絵の描かれた音のなるおもちゃと信じられないくらい真っ白な紙に標準人間語で書かれた手紙が添えられていた。


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 ごめんなさい、私にはこの子を育てる事が出来ません、名前は英雄(ひろ)と言います、どうか神様、この子をお願いします。


 本当にごめんなさい英雄、お母さんを許して。


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「名前は英雄えいゆうと書いて英雄ひろ? HEROヒーローのヒロ? この子HERO、勇者って名前なんだ!!」


「は~ん、なんてカワイイ赤ちゃんだろう、でもどうしよう? このままじゃ赤ちゃんが死んじゃう!」


「ホムラ! ホムラ起きて、もう春よ! 木のウロから出て来なさい!! クマ吉を呼んで来るのよ! 冬眠しててもいいから叩き起こしなさい!! 赤ちゃん、赤ちゃんが落ちてたの! 私達で育てるのよ!!」



 私はある春の日に人間の赤ちゃんを拾った、私が育てた大切な大切なその子、ヒロは、その子を産んでくれたお母さんの付けた名前の通り立派な勇者になった。

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フェアリー・トーク・ファンタジー♪♪ 山岡咲美 @sakumi

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