クカムルカ旅行記
くれは
一日目と二日目
大学時代、夏休みを使ってクカムルカに旅行に行ったときの思い出話をしようと思います。
クカムルカというと日本では馴染みの薄い土地だと思いますが、とても過ごしやすく楽しい場所でした。これをきっかけにクカムルカを知る人が増えてくれると良いなと思います。
まず、失敗についての話からしますが、クカムルカはさほど涼しい場所ではありません。夏場は特に、日本と変わらないくらいの湿度と気温です。暑いです。
なので行くなら春先が良いと言われています。春にはこの国独自の特徴的な花が多く咲くので、そういう点でも見所があります。
わたしは夏休みを利用して行ったので、それは失敗でした。クカムルカの空港に到着して、時差ボケと暑さにやられて一日無駄にする羽目になりました。
まあ、学生で夏休みを利用してようやく実現した旅行だったので、時期はもう仕方なかったのですが。皆さんはぜひ、春頃に訪れてください。
そんなわけで、夕方に到着して翌日一日はホテルの部屋でただぐったりと寝ていただけでした。朝は食欲がなく、ホテルの売店で買ったスポーツドリンク的なジュースを飲んでいました。
お昼には少し空腹を感じたので、売店でサンドイッチを買って食べた覚えがあります。きっと旅行客向けに作られたものなのでしょう、どうってことないレタスとトマトのサンドイッチでした。
クカムルカらしい食事でなくてすみません。あの時は具合が悪くてそれどころではなかったので。
夕方になって元気になって、ようやく何か食べてみようという気持ちになりました。ホテルの隣(ホテルが経営しているとのことでしたが)のレストランに入って、クカムルカでよく食べられているサグダクを注文しました。
サグダクというのは、サグと呼ばれる穀物を煮込んだ料理です。肉のスープで細かく刻んだウワやルウドなどの野菜を煮て、そこに洗ったサグを入れてさらに煮込みます。
サグがちょっととろりとしてきたら食べ頃です。そこに、甘じょっぱいタレのようなものを少しかけて食べます。
クカムルカでは伝統的によく食べられている料理ですが、日本人にも食べやすい味じゃないかなと思います。
その日は病み上がりだったので、サグダクしか頼みませんでしたが、じゅうぶんに満足できました。
それから、食後に出てきたお茶もサグが使われたものでした。少し香ばしい、日本で言えば麦茶に似た味で、これも日本人には馴染みやすい味だと思います。
元気になって翌日、ようやく観光に行くことができました。
この時の旅行の一番の目的は、スチナング山を見ることだったので、翌日はまずスチナング山に行きました。
スチナング山は、クカムルカでは宗教的な意味合いのある山で、大事にされています。秋頃には宗教的な意味合いの大きな祭りがあるそうです。それも一度は見てみたいものですが、残念ながらクカムルカの人でないとスチナング山での儀式を見ることはできないそうです。
祭り以外の時でも、スチナング山を登れるわけではありません。観光で行けるのは山の麓の一部だけです。ですが、そこに資料館があり、クカムルカの伝統的な宗教観や歴史、主な祭りについてなど、知ることができます。
派手な観光名所ではありませんが、クカムルカの文化の貴重な資料や面白い記録が並んでいて、また建物の中は涼しく、とても楽しく過ごすことができました。
こういった異文化が好きな人でしたら、とても楽しめる場所だと思います。クカムルカの言葉を知らなくても、展示品を眺めるだけで世界観を感じられるようです。
特に面白かったのは、やはり過去に記録されたという儀式の映像です。女の人が集まって、幾重もの輪を作って並び、全員でガランムバを歌い上げる様子はまさに神がかっていて、目が離せませんでした。
見ることができないと思っていた儀式だったので、特に興味深く見てしまったことを思い出します。その声を今でも思い出せるくらいに、夢中で見ていました。二度と見れないかもしれない、その気持ちで脳に刻みつけたのでしょう。
そのガランムバを歌うための衣装の展示もあり、織り込まれた模様が何を表しているのか、その意味の解説もとても面白かったです。
先ほど言ったようにクカムルカの言葉がわからなくても面白いですが、知っていればより楽しめただろうと思います。もし次に来ることができたら、その時はクカムルカの言葉を勉強しようと思いました。
その日のお昼は、資料館の隣のレストランで食べました。
そのレストランは外国人観光客向けのメニューになっていて、一番のおすすめメニューはハンバーグとパンのセットになっていました。他のメニューも、ハンバーガーとポテトのセットや、ドーナツとコーヒーのセットといったものが並んでいました。
せっかく素敵な資料館の隣なのだから、ここでも伝統的な食事を並べたら良いのにと思いながら、おすすめのハンバーグのセットを頼みました。
ですが、実際に届いた食事は意外と面白いものでした。
まず付け合わせが揚げたルウドとコジョでした。どちらもクカムルカ独自の野菜です。観光客向けにアレンジされてはいますが、しっかりとクカムルカらしい味わいを感じることができました。
また、ハンバーグの肉もドゥスワが使われていて、これもクカムルカならではという味を楽しむことができました。もしかしたら香辛料も、クカムルカ独自のものだったのかもしれません。
パンもサグを使ったもののようでした。
きっと、他のメニューも、クカムルカのものを使って他の国の料理を再現するものだったのでしょう。
これは思いがけず楽しい食事になりましたし、とても面白かったです。
さて、本当はもっとさらりと一週間の旅行の思い出を書くつもりでいたのですが、ここまでで思いがけず疲れてしまいました。当時の興奮を思い出してしまったせいでしょうか。
続きはまたいつかまとめることにして、今日はここまででお許しください。
最後に繰り返しになりますが、クカムルカはとても過ごしやすく楽しいところでした。皆さんも機会があればぜひ訪れてください。
クカムルカ旅行記 くれは @kurehaa
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