第三章
第32話 幸せな時間
やっぱり、塩谷あかりって子が一番怪しいな…。
俺の知っている女性といえば、他には桜子ちゃんやバイトの諸先輩しかいない。彼女達は、正直そんなことはしないし。う〜ん、それにしてもわからないな。
【太一君。私なら、太一君とずっと一緒にいることが出来るよ】
【桜子って子も、相当うざいわね】
この二通のショートメール。
本当に気持ちが悪い。だが、今は、そんなことはどうでもいいか。
俺の胸の中で、美依が小さな寝息を立てている。
昨日は、朝から色んなことがあった。結局美依は俺の部屋に泊まることになったのだが、無防備な寝顔を見せる美依を見るとより一層愛おしく思える。
勿論、心と体が一つになったということもあるのだと思うけど、こんなにも幸せな気持ちが溢れてくるのか俺自身、凄く驚いていた。
美依が一層愛おしく思うし、こいつを幸せにしたいと強く思う。だとすれば、俺もちゃんとした人間にならないとな。まずは勉強だ。少しでも良い会社に入りたいし、そうしないと駄目だな。あと、優柔不断なところも少しずつでいいから治していかないと…。
『ピロピロピー』
俺の幸せな時間を無粋な音が一瞬で壊す。
【業務連絡。明日、サークルのミーティング行うので、午後三時に喫茶前に集合】
なんだろう?この前、月一のミーティングは終わったはずなのにな。
「ん?太一、おはよう。なに?なんで目を見開いてるの?」
美依の奴、寝ぼけてて自分が真っ裸というのを気づいていないようだ。なんちゅう姿だよ。まあ、俺は役得だけどさっ…。
「あのさ、美依。俺、また、元気になっちゃうけどいいのか?」
「ひっ?えっ!?、、、えーーーーーーー」
咄嗟に掛け布団を引き寄せると上半身を覆い隠す。
「も、もしかして、私…。えっ!?もしかして?」
「そうだよ。覚えてないのか?美依って、なかなか積極的だったぞ」
「ば、ばかー!!初めてだったのに、太一ったら、無理なことばかり」
「いや、恥ずかしながら、俺も初めてだったし。って、お前知ってるだろう?」
そういいながら、美依に近づく。目と目が合う…。そして、軽いキスを交わす。
「私、太一を見ても大丈夫みたい。良かった…」
「うん。俺も良かった。あと、これはちゃんと言っておかないとな」
俺は、美依の方を見る。
「美依、俺と付き合ってくれ。いや、付き合ってください」
「ふふ。やっとだね。やっと…。私、ずっと太一の顔を見ながらその言葉を聞くことが夢だったんだ。漸く叶った…。嬉しい…」
美依はそう言うと、溢れる涙を拭おうともせず、俺の胸に飛び込んで来た。
これで、ツンデレな美依とはおさらばなのだろうな。デレデレの美依と一緒に歩んで行きたいな。この先ずっと、永遠に…。
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第三章がスタート!
引き続きよろしくお願いします!
第三十二話を読んでいただきありがとうございました!
次回、「新しいイベント」をお楽しみに!
皆さま、どうぞお時間のある時に遊んでいってくださいね!
引き続きよろしくお願い致します。
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