第7話 ちょっとよくわからないラスト。
「ん?」
家で、甲斐くんから借りたラノベ読んでたら、なんか紙が出てきた。
栞っぽく挟んで使っていたのだろうか?
なんとなく、拾って目を落とす。
「今日の放課後、初めて会ったところで待ってる。」
そんな一言が書かれていた。
「…⁉︎」
告白か!?告白なのか!?
ばっと、起き上がり、後ろの時計に目をやる。
22時…。
「ohhhhh!!」
絶対にもう帰ってるね、これは‼︎
でもなんか、このまま部屋にいて安心もできない。
夜の街に、駆け出した。
「はっはっ…。ここ、だっけ…?」
走ったので、息が切れた。
私は、あの甲斐くんとぶつかった道の角に着いていた。
「あ、みずき。」
なんか、制服着た甲斐くんがいた。
私をみると、ぷっと笑い出す。
「何、そのカッコ。」
「へ…?あっ!」
こういう時、よれよれのTシャツにジーパンとか。中学校のジャージとか。
もっとキャラの立った服装しているものだ。
…私はメイド服を着ていた。
「いや、転生したら美少女だったから、せっかくならコスプレしとこーと思って…。」
もー、何言ってるんだろ?
オタクがこんなところで露見するとは…。
「似合ってる。」
「いや、あの、私超美少女!って言いたいわけじゃなくって…。って、え?」
ニアッテル…?
甲斐くんをみると、顔を真っ赤にして私を見ていた。
そのまっすぐな目に、思わずドキッとした。
「ほら、あの、今日呼び出したのは他でもないっていうか…。
くそ、緊張してんのかな…。」
甲斐くんがちょっと緊張した面持ちで佇んでいて…。甲斐くんのそんなところが…!
「好き!」
「えっと、つまりー、って、え?」
思わず声に出てしまった。
でも、出会った頃からずっと彼に思ってたこと。
画面の中の彼に、伝えたかったこと。
後悔なんて、あるはずがない。
「俺も、みずきが好きだ。」
きっと、そうなんだと思う。
鈍感難聴系な、ラノベの主人公たち。
彼らの立場になってみよう。
いきなり、美少女たちに好かれたって、どうすればいいのかわからない。
だから、知らないふりをして、このままの平和な生活を守ろうとするんだ。
彼女達を、傷つけたくないから。
…自分が、傷つきたくないから。
だから、結果を出すのはこんなにも難しい。
そして、意外とあっけない。
モテモテになるより、好きな一人に好きになってもらう方が、幸せなんだ。
そんな
推しアニメに入ったので、主人公を攻略する。 ぐらにゅー島 @guranyu-to-
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