鬼姫の面

おまけ ※読後感を大切にしたい方は読まないでください。

　　　こんなのも考えましたが①

　あたし、土方（ひじかた）　優（ゆう）（with面）は、またまた偶然クラスメート（オールwoman）の会話を聞いてしまいました。

「土方、最近変わったよな」

「そうそう。やたらニコニコして、男に色目使ってな」

〈ええっ⁉〉

「八方美人、マジムカつく」

　女怖い、そう思った瞬間でした。

　　　こんなの（略）②

〈それにしても、匠（たくみ）は一体どうしちゃったんだろう？〉

　ワケありな態度とったり、難しい言葉使ったり。

〈もしかして、なんか憑（つ）いてる？〉

　さあっと血の気が引いたとき、床に落ちてる冊子に気付いた。

　わら半紙の束をホチキスでとめたその表紙には、平仮名で『おにひめのめん』の文字が。

〈台本？〉

　手に取ってめくると、赤い線の引かれた箇（か）所（しょ）が目に止まる。

「おきなからとりあげためんのれいげんでやさしきこころをてにいれ……」

　それは、さっき匠がいってたエラそうなセリフそのままだった（←しかも全部平仮名）。

　　　こんなの（略）③

　外れたお面は、またくっ付いたら大変なので速（すみ）やかにお焚き上げ（焼却炉で焼却処分）しようとしましたが、上川（かみかわ）くんに止められました。

「いらないならちょうだい」

「いいけど、どうなっても知らないよ」

「大丈夫大丈夫。それに、これ、土方がずっと付けてたヤツだろ？　もしオレが付けたら間接──」

　そのとき一陣の風が吹き、お面は自（みずか）ら焼却炉へダイブしましたとさ。

　めでたしめでたし？

　ちなみに、お面に口の穴はなかったけど、食事のときは、勝手にめくれてくれました。不思議ぃ。