終、それからの二人

恒司つねじさーん!きつねうどん二人前お願いしまーす!」


「はいよ!」


 恒司は、小夜さよの父からこの店を継いでうどん屋を営み始めた。店の評判もよく、繁盛はんじょうしているようだ。特に、油揚げが旨いと話題になっている。


「恒司さん、そろそろ休憩にしましょうか?」


「そうだな……」


 恒司と小夜は、並んで腰かけた。そして、二人で他愛たあいもない話を始める。


「恒司さん、この仕事には慣れましたか?」


「あぁ、なんとかな。……まあ、まだまだ未熟だけど」


「ふふっ、そんなことないですよ。恒司さんの作るきつねうどん、とっても美味しいって評判ですから」


「そうか?ありがとよ」


 恒司は照れたように笑った。


「恒司さん、私……あなたと出会えて本当に幸せです……」


「あぁ……俺もだ……」


 恒司が答えると、小夜は照れながら恒司の手に自分の手を重ねた。


「あの、恒司さん……。耳だけ、変化を解いてもらえませんか……?」


「……わかった」


 言われた通りにすると、小夜は恒司の耳に触れた。


「ふふっ……恒司さんの耳、可愛いです……」


「そうか?……お前の方がずっと可愛らしいぜ」


 恒司の言葉に、小夜は頬を染めた。そんな小夜に愛しさを感じて、恒司は彼女を強く抱きしめる。


「小夜……これからもずっと一緒だからな……」


「はい……」


 そうして、二人はいつまでも幸せな日々を過ごしたのだった───。

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いたずらギツネの恋心 夜桜くらは @corone2121

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