第6話 最強と呼ばれる男
休日を挟んでまた小隊長が交代で教えてくれる訓練が始まった。
神楽小隊長との訓練では自分の特技を生かした戦い方を学んだ。
俺の特技は力と素早さを活かした連撃、その中で直感的に反応するという戦い方だった。
神楽小隊長からは
「これでも強いけどもっと安定した戦いができる方法も持ってた方がいいかもしれないね。相手が強くなればなるほど複数の手を持っておかないと攻略されちゃうからね。まあ今も良くできてるしゆっくりやっていこう」
神楽小隊長との訓練では自分だけの特技は見つけきれなかったがそれでも基礎能力の向上はしっかりと出来ていた。
神楽小隊長との訓練を続ける日々を送っていると拠点に大きな音がなり響いた。
「緊急、緊急、近くの村を妖怪が襲撃。。小隊長は動かせる隊員を連れて村へ向かってください」
どうやら近くの村が襲われたらしい。俺は神楽小隊長についてその場所へ向かった。
途中で隊長、その他部隊と合流した。
合計すると部隊の半分は動いていた。
どうやらある程度都市の防衛に残っているようだ。
目的の村へ着くとそこには三十もの妖怪がいた。
その中には人型に近い妖怪も見られた。
すぐさま妖怪との戦闘に入った。
この場にいる小隊長がどんどんと押し込んでいき各隊員はその援護及び救出を行っていた。
俺は小隊長たちに続き妖怪との戦闘に参加していた。
妖怪たちも弱くはなかった、がそれを上回る力で押し切れていた。
しばらく戦闘をしていると爆発音がした。
そこでは神楽小隊長が押されていた。
戦っていたのは人型の妖怪だった。
俺は周りの妖怪をあらかた倒していたので神楽小隊長の援護に向かおうとした時だった。
後ろから地響きのような音がすると同時に俺の横を素早く何かが通った。
気づいたときにはさっきまでいた人型の妖怪は倒されていた。
それを切ったのは薙刀のような矛を持った天原隊長だった。
その姿を見ただけで俺は思った。
「次元が違う。これが最強と呼ばれる男の実力なんだ」
と。
残った妖怪たちは逃げて行った。
その中に人型の妖怪がいる事をこの場のすべての隊員が見逃していた。
村の人の救出が終わり、周辺に妖怪が残っていないかの確認が終わると俺たちは都市へと生き残った村人を連れて帰った。
道中、俺は神楽小隊長と話していた。
「さっきの妖怪強かったですか」
「そうだね、結構強かったね。私の力だと押し切れなかった。多分全力でやれば勝てたかもしれないけどこれじゃあだめだね。こういう時に別の手を持っておかないとってよくわかる」
反省をしていた神楽小隊長は付け加えて
「あれを一撃で倒す隊長は本当に強い」
と、言った。
「あの時の隊長は神楽小隊長より速かった気がしました」
俺の言葉に
「そうだね、隊長は私より速いよ」
「てっきり部隊で一番速いって思ってましたよ」
「部隊で二番目に速いのは事実だけど隊長は強すぎるからね。何をとっても部隊一番なんだよね。そしてこの部隊が最強と呼ばれるようになったのは隊長がいたからね。
隊長は昔、一部隊を壊滅させた妖怪を一人で瀕死まで追い込んでたからね。それからこの部隊の隊長になって各地から人を集めて最強の部隊と呼ばれるようになったんだよね」
この部隊成り立ちを聞いていたら拠点に帰って来たので話はそこで終わった。
隊長が瀕死まで追い込んだ妖怪、それはたぶん前に美琴が言っていた妖怪のことだろう。
殺しきれていない、これは今後なにか大きな問題になるのではと考えていた。
しかし今考えても仕方がないのでとりあえず暇ができたのでまた図書館で勉強をした。
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