第5話 休日の勉強
神楽小隊長の訓練が今日は休みとなり俺は拠点の中にある図書館へと来ていた。
俺は妖怪について、戦争について知らないことが多すぎる。
だから今日の休みは一日勉強に費やすことにした。
まず手に取ったのは「妖怪の姿」という本だ。
そこには
「妖怪とは人間とは別に生まれ独自に進化してきたもの。その姿は様々で蛇のような妖怪から狐の妖怪などいろいろな姿が存在する。その中でも特に危険と言われるのが人と変わらない姿をしたもの、それに近い姿をしたもの。これらはぱっと見て妖怪とわからないということもあるがなにより実力が他とはけた違いに強い。その理由は様々だが一つに力が体の内側に力が圧縮されているからとされている。つまり見た目だけではその実力がわからないということ」
一通り読み終た時、人のような妖怪を俺は見た覚えがあった。
俺の村を襲った妖怪の中に数人いた。
そんなことを思い出しながら続きを読もうと本に目を戻した時
「あれ、何してんの鬼人」
後ろから美琴が声をかけてきた。
「勉強だよ。俺知らないことが多すぎるからな」
「えらいね。なら私が教えてあげるよ」
ということで美琴にいろいろと教えてもらうことになった。
「じゃあまず今のこの国の状況の確認から。妖怪との対立から始まったこの戦争は約五百年続いている。今までは膠着状態ともいえる状況で決め手に欠けている状態だった。でも今この第一部隊を中心に少しずつ戦力が大きくなっているの。現在五個の大きな部隊が存在していてそれぞれ、第二部隊『陽炎』主に諜報、密偵など情報に関する大部分をこの部隊が担っているの。第三部隊『閃光』主に情報が入って一番にその場所へ向かい敵の確認をしたりする先行部隊だね。第四部隊『飛龍』この第一部隊に次ぐ戦闘特化の部隊。第五部隊『闇狩』夜戦を得意とする部隊で追撃が夜になったりするときはこの部隊が援軍で来ることがあるよ。他にも本部には少数精鋭で『神撃』って部隊が存在するらしいけど実態はあんまり知られてないんだよね。でもその実力は一人一人がうちで言う小隊長クラス以上だって言われてるよ」
と、そこまで言われて俺が一旦止めた。
「一気に言われても入ってこないからいったん休憩にしよう」
そういうことで一旦休憩で思い出話をすることになった。
まず美琴が話してきた。
「私はお父さんが部隊にいたこともあって私もそれについて一緒にトレーニングしてたんだよね。それで小さい頃から運動能力が高くてそれで川の上を走れると思った私は川に突っ込んでいってそのまま沈んでいってお父さんに助けてもらったことがあったな」
美琴は小さい頃は随分やんちゃな子供だったらしい。
次に俺の話になった。
「俺は昔すっごい目が充血したことがあったな。一日中寝て治ったけどあの時はなんか体の調子が良かったんだよな」
「不思議なこともあるんだね」
と、お互い喋っていたらちょうどいい感じに頭を休める子ことが出来たので勉強を再開した。
次は妖怪の中で有名で強い妖怪を調べていった。
「妖怪で特に強いと言われるのが鬼、天狗、狐なんかが上がるかな。特に鬼は今の妖怪の長が鬼でその子どもが鬼の中でも強いんだよね」
「それ以外の妖怪は強いのはいないのか」
話しの途中で俺が聞くと
「それ以外でも強い妖怪は強いよ。時々特殊な妖怪もいたりするよ。後は老いることのない特別な妖怪がたしか狸の妖怪にいたかな。だけどこの妖怪は陰からこの戦争を見守り続けていると言われているけどいまだにわかってないんだよね」
本と合わせて聞いていた俺は途中のページで竜の話があった
「竜はなにかしたりするの」
「竜は巫女の力を持つものが自身の体に宿すくらいしか出てくることはないかな。その力はすっごい強いらしいよ。でも巫女の力を持つ人ってもう数百年も出てきてないからね。あんまりあてにはできないかな」
それからは各妖怪の対処法や弱点などを話して勉強は終わった。
夜、一人で布団に上に転がりながら今日の勉強で知った人型の妖怪。あの時村を襲った妖怪の中にいた。それがもしかすると鬼の妖怪だったのかもしれない。そう思いながら眠りについた。
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