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はっとして目を開くと、視界には真っ白な世界が──いや、これは天井か。真っ白な天井が広がっていた。
さっきまでのは夢だったのだろうか。
体を起こそうとするが、何故か全身が痛い。混乱しながら周りを見てみると、視界の左には点滴、下には口元を覆う半透明な何か、右には白いカーテンがあった。そこまで見て、ここは病室だと理解する。
少し呼吸をゆっくりにして神経を尖らせてみると、自分以外にもひとつ、人の気配があると分かった。
さっきのがもし夢でないのなら、自分は事故に遭っていない側だったはずだ。けれどこうして眠っていて、目を覚ましたのは自分。なんだか混乱する。
手を伸ばした先の彼女は誰だったのだろうか。もし彼女が自分であれば、自分は誰の記憶を覗いていたのだろうか。夢の中の夢、みたいなものが、この状況を予知するものであったならば……。
考えれば考えるほど、混乱して、頭が痛くなってくる。
──私は、誰なのだろうか。
手を伸ばした先 水神鈴衣菜 @riina
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