最終話 寝取られたら嫉妬を食べに行くと思うけどー?

「さてと、そんじゃ、インキュバスこの子の処遇を決めますか」


 レヴィアタンが、亀甲しばりにされたインキュバスをちらりとみやる。


「ヒィ!」


 インキュバスは、レヴィアたんににらまれて、ガクブルとふるえている。ヘビに睨まれたカエルとはこの事だ。


「ぼく、存在を消されちゃうんですか? ケルベロスに食べられて……」


 たしか、ケルベロスに食べられると存在が消えるんだっけか……でも、そんな極刑を受けるヤツっているんだろうか。居るとしたらよっぽどのクズとしか考えられない。


「ダイジョーブ、そんな怖いことしないわよ。ただ……」

「ただ?」

「わたしのペットになってもらうわよー♪」


 そう言って、レヴィアたんは、インキュバスのイチモツに飛び掛かる。

 レヴィアたんの手と口で、ジュボジュボと妖しい音を立てながらもてあそばれたソレは、瞬く間に逞しく成長した。


「んきゃー。見て見てこのギャップ!

 こんなにカワユイ顔をしてるのに、こーんな凶悪なモノぶら下げてるんだもん。

 たまんなーい! ねえ、そう思うでしょう?」


「は、はあ……」

「は、はあ……」

「は、はあ……」

「は、はあ……」


 俺と、アスモデウスの三つの頭は、苦笑いするしかない。


「ねぇ、アッスー、この子、わたしの管轄に置いてもいいでしょう?

 てゆうか反対されても奪い取るけど!! キミ、名前なんてーの?」

「はぁはぁ……ス……ススムです……」


 レヴィアタンにイチモツをこすられつづけているインキュバスは、ビクッと体を震わせながら、恥ずかしそうに自分の名前をつぶやいた。


 うん。めっちゃ普通の名前だ。


「ふーん。じゃ、今からあんたはムね!」


 その言葉に、アスモデウスが驚いた。


「なんと! サキュバスの称号であるの官位を授けるのですか? 彼は男性ですぞ!」

「アッスーは、ほんっとーーーーに遅れてるわね! 今はね、男の娘がのよ!!」


 ナウい? ええっと……流行ってるってことかな?


「なんでかわかんないけど、サキュバスの72籍に1匹欠員があるじゃない?

 ちょうどの籍が空いてるし。だから、ちょーどいいかなって!

 てなわけで決まり! 君は今日から、男の娘サキュバスのリリム!

 でもってわたしのペットよ!!」


「あ、ありがとうございます!」


 レヴィアたんの言葉に、元インキュバスのススムは泣いて喜んだ。そして、


「あ、あああ……ららめえ。これ以上されたら、でちゃう、でちゃうぅううう!」


 レヴィアタンに、ずっとイチモツをもてあそばれて悦びの声を上げて果てた。


「ふー、まんぞくまんそく。

 じゃ、流斗りゅうと、短い間だったけどお勤めごくろーさん」


 俺は思ったことをそのまま聞いた。


「え? どういうこと」

「魔界から逃げたサキュバスとインキュバスはこれで全部捕まえたし、人間界そっちにはしばらく用がないってこと。新しいペットもできたしねー」


 あ、そういうこと……。


「それに、これ以上、流斗りゅうとにくっついてても嫉妬にありつけそーにないしさ。あんたはせいぜい、辰巳たつみちゃんとよろしくやんなさい。

 そーゆーわけだからさ、あんたはとっとと帰った帰った!」


 そう言いながら、レヴィアタンは、魔界の何もない空間をパタパタと折りたたみ始める。その空間の向こうには、三階の空き教室を利用した、演劇部の部室が広がっていた。


 俺は、空間をまたいで演劇部の部室に入ると、思っていることを聞いてみた。


「もしかして、これでレヴィアたんとはお別れ?」


 その質問に、レヴィアたんは笑顔で答えた。


「さあ? あんたがボケーっとして、辰巳たつみちゃんを寝取られでもしたら嫉妬を食べに行くと思うけどー?」

「……今生の別れにしたいです」

「ん。そうなることを願う! それじゃあね、流斗りゅうと


 レヴィアタンは、右手のこぶしをギュっとにぎって、人差し指と中指の間から親指をずにゅりとのぞかせると、そのモザイク検閲がかかった右手をひらひらとふりながら、左手でパタパタと空間を閉じていった。


 ・

 ・

 ・


 キーンコーンカーンコーン


 校庭にチャイムが鳴っている。


「……帰ろう」


 俺は、部室に忘れた鍵をポケットに入れると家路へと急いだ。

 文化祭が終わったら、絶対に辰巳たつみちゃんに告白する。

 そう、強く強く誓いながら。




 『レヴィアたんはNTRがお好き?』


    ― おしまい ― 







【あとがき】


 ここまでお読みくださりありがとうございます。


 なんだか思いっきりレーティング違反の気配がするお話なのですが、大目に見て下さった読者様、ならびにカクヨムの運営様には頭が上がりませぬ。感謝感謝でございます。


 なお、こちらの作品と並行して執筆しておりました、


『ゼロ距離な彼女。〜親ガチャ再抽選でSSR美人おねーさん姉妹との同居生活が確定しました。距離があまりに近すぎてHPが一桁です。〜』

https://kakuyomu.jp/works/16816700428628813408


 は、引き続き連載をつづけております。


 年上好き、あと幼馴染好きな方は、是非ともよろしくお願い致します。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

レヴィアたんはNTRがお好き?~炎天下でおねーさんを助けたら童貞卒業できました。嫉妬の魔神にとり憑かれた俺は、美少女やサキュバスを寝取りまくります。~ かなたろー @kanataro_

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ