第2話
凛は有名な自動車メーカーの機械関連の製造工場で働いている。それが凛の本職である。組立・組付の部署に所属していて、また今日も作業着に身をつつみ、汗まみれになりながらも無駄口を一切叩かず、淡々と業務をこなしていた。
お世辞にも社交的とは言えない凛は必要以上に誰かと関りを持とうとはしない。職場で誰かと喋るのは仕事上での伝達事項を行う時ぐらいだ。こんな自分の事を同僚たちは何と呼んでいるのだろうか? まぁ、大方の検討はつくが………。
昼食も社内食堂の隅で、一人、無言のまま、食べ進める。無論、社内で親しく接する同僚などいない。また、そういう状況でも凛は悲しさも虚しさも感じていない。
————他人と関わるのは、ごめんだ。
声を出さず自嘲し、ゆっくりと真顔に戻る。
もしも、今の凛の姿を誰かに目撃されていたなら、そいつは間違いなく見ないふりをして、その場から足早に去っていくだろう。
青野凛の日常 彩希 文香 @Saiki_Ayaka
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます