立つものと支えるもの

ハル

第1話

「4年後ここに集合で」

これは俺と裕樹がかわした4年前の言葉だ。そして今日俺と裕樹は再開する。


俺は木村悠。県内では有名な陸上部に所属していたが結果を残せず、その後は競技から退き選手をサポートするスポーツインストラクターになれるように大学に進学し、無事今日大学を卒業した。そして今日はついに裕樹と再会する日だ。再会の場所は俺たちが高校時代あほみたいに走った市内の陸上競技場だ。

そして、今日俺が再会するのは西本裕樹。俺と同じ高校の陸上部に所属し、俺とは真逆で1年生から活躍し、推薦で陸上の名門大学に進学して、箱根も走ったようなやつで既に実業団のスカウトも来ているらしいすごいやつだ。

そんな俺らは1年の時から仲が良くなり、ある約束をした。

「なー悠、卒業祝いに1個約束しねーか?」

「どーした?急にらしくないことなんか言い出して。俺と裕樹ではもういる世界が違うんだぜ。」

「まーなんでもいいじゃんか」

「よくねーわ。裕樹は選手俺はコーチとかだぞ。全然違うじゃねーか。」

「じゃあお前が俺のこと支えてくれよ」

「は?」

正直俺はこいつがなにを言ってるかわからなかった。

「4年後ここに俺はマラソンのプロ選手として、お前は俺を支えるスポーツインストラクターとしてあって、俺を日本一のランナーに導いてくれよ。」

俺はものすごく驚いたのと同時にものすごくワクワクした。そして俺はこう答えた。

「わかった。俺が日本一のランナーに導けるようなスポーツインストラクターになってやるよ。」

「約束だからな。」

「おう。まー俺が留年してもしらねーけど。」

「お前、それはやめろよ。ガチで」

「冗談だよ。」

そんなことを話しながら4年前俺と裕樹は別れた。そして今日に至るわけだ。

「あいつガチで来てくれるかな?」

そんなことを思ってる矢先こんな連絡が来た。

陸上競技場ではなくて居酒屋集合で。よろ。

ものすごく驚いた。そして、今から俺は居酒屋に行かないといけないらしい。ほんと迷惑なやつめ。

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