四人のアイドルグループの中にあって、ひとりだけ影のある、いちじく。次のMVのアイデアや希望をしつこく聞かれて、つい彼女は仲間を拒絶し、飛び出して行ってしまう。
だけどそれを放っておけない仲間達。
とりわけ気持ちの部分だけに、手を差し伸べることがいつもいい結果を生むとは限らない。だけど、心を閉ざしている人が自分から扉をあけて出てくることはないのだから、周りが本人のペースに合わせて寄り添い手を差し伸べ続けるしかないのでしょう。
頑なに心を閉ざしていたいちじくと、辛抱強く手を差し伸べるゆめ。いちじくが心の扉を開いたとき、四人もまた、新たな扉を開き更に高く飛び立つ。
突き抜ける青空に向けて紙飛行機を飛ばすような、そんな読後感のお話でした。