第5話 暇つぶし

今日は待ちに待った土曜日だ

最近は怪物退治という新たなことが始まって

初めて来た休日ということもあり疲れがドッときた

今日は誰かと遊んだりしないで家でゆっくりしたいな

そんな思いをよそにして

ピピピピピピ

携帯が鳴った

画面を見ると龍時からだった

正直無視しても良い

どうせろくでもないことだろうし

しばらくすると電話は切れた

そして一件のメッセージ

『今家の前』

そして俺の家の画像が送られてきた

なんかこいつストーカーに思えてきたな

ピンポーン

うわぁ本当に来てるやん

「あぁすいませんね急に押しかけて」

「いえ」

リビングにいた加賀音が対応してるのか

着替えて行くか

「あっこんにちは加賀音ちゃん」

「どうも彩乃さん」

「えっこの子女子なの?」

「こら、そんなこと言ったら失礼でしょ」

「いえ、気にしてませんよ

それではもうすぐ兄も来ると思うので」

加賀音がリビングに戻るのと同時に俺は部屋から出た

「おっ来た来た」

「龍時は疲れてないの?

それに彩乃も大丈夫なのかよ」

「俺は全く疲れてないぜ」

「昨日1通り聞かれたからもう大丈夫だよ

特にケガもなかったし

それよりアジト行こうよ」

えっなんでアジトのこと知ってんの

俺は龍時を見る

すると龍時は目線をそらした

こいつ言ったか?

「おいおい、俺が言ったとか思ってるんじゃないだろうな

俺は何も行ってねぇからな」

「じゃあなんで彩乃が知ってるんだよ」

俺は龍時に問いただすように聞いたが

「それはね、私もメンバーだからだよ」

「えっ」

衝撃だった

   ◇◇◇

そうして街中を歩いて行くこと10分

アジトのあるマンションに着いた

「部屋番とか分かる?」

「私、知ってるよ」

そういうと彩乃はオートロックの解除をした

「さぁ行くわよ」

慣れてる感じ本当にメンバーなんだな

エレベーターに乗る

最上階だからかなり時間がかかる

「おっじゃまっしまーす」

「おじゃまします」

「おじゃましまーす」

「あら案外早かったわね」

イナさんが出迎える

蛇さんはいないのかな

「飲み物とか用意するからソファの方で待ってて頂戴」

「あ、イナさん私の靴って修復できました?」

「それならもう終わってあなたの部屋に置いてあるわ」

はーいと返事して別の部屋に行ってしまった

靴…彩乃の武器かな

確かあったよな靴型の武器

「彩乃の部屋なんてあるんですか?」

「えぇあるわよ

君達のも用意してあるわよ」

「えっそうなんですか!やったー親に見つかってほしくないのとか隠せるじゃん」

龍時が軽快に言う

「そういう使い方じゃねぇだろ

それに隠したいのってなんだよ」

「いやぁそれは言えないな」

すこし照れながら言うのがきもいな

そんな雑談をしてると彩乃が帰って来た

「イナさん、ありがとう」

「直したのは私じゃなくて開斗なんだから

あとでお礼言っといてね」

「うん、言っとくー」

「で?今日は何しに来たの?」

「うーん特に何しに来たってこともないんだよね

暇だから来た感じ」

「でもアジトに来ても何もないんだから

買い物でも行って来たら」

「できれば家に帰って休みたい」

「買い物に行くならイナさんも同伴です」

「いやよ、熱いじゃない

これでも私吸血鬼なのよ」

なんか今思い出したかのように出てきた吸血鬼設定だな

「日傘持っとけばなんとかなるんだから行きましょうよ」

「いやよ、絶対に」

なんか姉妹喧嘩みたいだな

「あの、ちょっといいですか」

龍時が口を開く

「俺まだサーバントとかこのチームとかよくわかってないんですけど」

「よし、じゃあ今からはそれについて話しましょう」

「あっ逃げた!」

「それじゃあまずは敵について」

   ◇◇◇

サーバントは黒く四足歩行の怪物で

怪物たちのなかで一番下の存在で無限に沸いてくる

次にチーフについて

チーフはサーバントの上の存在であり

サーバントが進化したようなもので数は多くないため

個々に名前が付けられる

前回倒したのはキッドナッパーという

誘拐などの心から作られる怪物で

身長は2mほどで2足歩行

危険度はエプタ(7)となっている

特徴は

手は紐のようになっており人を縛れる

1回の再生能力は高いが同時に再生を行うとその能力は低下する

そしてこれらの敵はマヴロスという現実の裏を反映した世界に住んでいる

「というのが敵について分かってること」

「意外に分かってること少ないですね」

「そうね、でもこれからどんどん知っていくことになるわ

それじゃあ次はこのチームについて」

   ◇◇◇

もともとは私と開斗の2人で討伐を行ってた

けど1か月前ぐらいに彩乃ちゃんが入ってきて

3日前に京音君が入ってきて

昨日龍時君が入って来たって感じ

本当は人数を多くしたくないけど

君たちは適性者だしサーバントに目を付けられてるから

各々同盟を結んでる

彩乃ちゃんはまぁどっちかっていうと

その強さゆえに私からお願いしてる感じだけど

京音君は美味しい血を飲ませてくれる

龍時君は開斗の推薦ね

だから正確に同盟を結んでるのは京音君だけね

「っていうのがこのチームについて」

「あっさりしてますね」

「そこまで詳しく言うほどの内容もないからね」

「よーし話も終わって夕方になったし買い物に行こう!」

「…そうねいいわよ」

イナさんは外を見て仕方なく言った

「今日は暇つぶしね」

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京音とイナの吸血同盟 ふはやヱ @Fuhaya

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