SOLAの臭い

ももいくれあ

第1話

いたいけな衝動にかられた朝

くたびれた顔をした駅のホームで

空しい朝をむかえていた。


山の空気と海の涼しさに少し戸惑いながらできる限りの思いを吸い込み

深くゆっくり吐き出した。


どの岩に座ってみても

 波の叫びを浴びてしまう

テトラポットを渡り歩き

 ようやく自分の居場所を見つけた。


息絶えた魚たちの最期の吐息を

微かに肌に感じながら

空の臭いを吸い込んだ


どれだけの臭いを吸い込んめば

 その思いは溢れるのだろうか

まるでみずみずしい時間に溶け込む

 砂時計のようなかんじだ

ありじごくの上の空には

 ぽっかり穴が空いている


誰かのなくした扉の鍵が

 今日もまた一つ増える。

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SOLAの臭い ももいくれあ @Kureamomoi

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