終わりの始まり

幼稚園の卒園が迫ってきていた。小学校卒業と同時に政府から黒い封筒が届くのだそこには自分の外見の段階が書かれている。ある日僕の大親友である春にこんなことを言われた。

「どんな段階になってもお友達でいようね」

何を言ってるんだ、お前は10を貰うに決まってる、僕は普通の家庭に生まれたから4.5くらいだろう。そんな10を貰ったやつが僕のような下の人とお友達でいようねなんてよく言えたなと幼稚園生ながら思ったのを覚えている。その言葉に僕は「うん」としか言えなかった。その後楽しく卒園式まで過ごした。卒園式では親が大泣き恥ずかしかったのを覚えている。

卒園後は春の家でパーティーをすると言われたので春の家に向かった。春は人気者だったので僕が話したことの無い人も沢山いた。いい機会だったので話したことの無い子に話しかけてみた。初めはこの時やっていた仮面ライダーの話になってとても盛り上がったのに突然「仮面ライダーに出てくる怪物に似てるね」と言われた。生まれて初めてこんなことを言われた。今でもはっきり記憶に残っている。そんなに僕の顔はブサイクなのか。モヤモヤが消えないままパーティーが終わった。親に聞いてみようと思ったが子供ながら何故か聞けなかった。パーティーの次の日黒い封筒が届いた。正直昨日のことでモヤモヤしていて封筒を開けるのはとても不安だった。恐る恐る家族で中身を見るとそこには1も数字が大きく書かれていた。僕の人生はこの日から狂い始めた。

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カバー @rice_okome

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