第2話 僕の妹と僕

僕が項垂れている時だった。


「お兄ちゃん、どうしたのそんな顔で。」

顔を上げると、心配そうな俺の妹、美樹がいた。


「あ、いや、なんでもないよ‥‥。」

鼻声の消え入りそうな声だった。だから、


「そんなわけないでしょ。」

美樹に不審がられるのは当たり前だった。


「俺が大丈夫って言ったんだから、大丈夫に決まってるだろ‥‥。」


「意地を張らないの。」

子供を宥めるような声だった。


「はぁ、‥‥親友達とのことだよ。」


美樹は呆れたように

「何を今更‥‥。

もう仲良くなるのは、諦めたんじゃないの?」


「いや、そうじゃなくて、‥‥元気になって欲しいんだ。」


「はぁ、また馬鹿なことを考えて‥‥。」

またも、呆れ気味な声で話す。


「馬鹿なことって‥‥。

俺は親友達のことを心配して‥‥。」

そうだ、俺は心配をしていたのだ。


「そんな心配、お兄ちゃんの親友達はして

欲しいと思ってると、思うの?」


「それは‥‥。」


思わないと思う。俺達の関係は終わったのだから。


「そうだな、じゃあ、」


俺は言葉を続けようとしたが、途中で妨げられてしまう。


「それでも、諦めたくないんでしょ!」


「‥‥うん、そうだな。」


「それなら、お兄ちゃんが動きなよ。2人を助けるために。」


はっとした。今までの俺は2人になんとかしてもらおうとしてた。

‥‥俺には何も出来ないんだと。


何かが吹っ切れた。だから、

「ありがとう‥‥」

と、思った。


「よろしい。」

満面の笑顔で俺の背中を押してくれた妹。


だから、俺は頑張ろうと思う。

背中を押してくれた妹、親友ために、


‥‥自分のために。





この作品の伸びが他の新作2本に比べて悪いです。

‥‥僕、この作品が1番好きです。






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俺の親友「達」の話を聞いてくれ WOULDYOU @dottisotti

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