第43話 命、一途―1
白い鷹が天高く飛翔する姿を、黒目がちの大きな
前にも述べたが、矢沢頼綱は真田家当主昌幸の叔父にあたる。すなわち、昌幸の父幸隆の弟である。
佐江は
「姫さま、なりませぬ。お一人でのご出門、なりませぬっ!」
侍女の甲高い叫び声が背後で響いたが、たちまちその声が遠去かる。それは佐江の乳母でもある
龍野は小笠原氏の血筋の者だけあって、手習い、和歌、香道、礼法など諸事にうるさい。それでなくとも、
そこで佐江はこの日、気散じのために
「ハッ!」
佐江は愛馬
佐江は乗馬を好む。5歳の頃から馬に親しみ、天賦の才ゆえか、今や佐江は騎乗の名手となっていた。
北へと向かう佐江は、蒼天をまぶしげに仰いだ。どこまでも澄み渡った秋の空。その青空高くに、白い小さな点がある。
佐江の鷹、
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