まさに読んで字の如くの男の中の男

 男の中の男が、己の信念に従い、その本懐を遂げんとする物語。

 現代もののドラマです。
 ナヨナヨした女々しい男子学生・金剛力士アヤメくんが、〝男の中の男〟たる主人公に喝を入れられたりしながら過ごす日常のお話。

 もっと言えば、その日常の中に起こった、ちょっとした(でも大変な)事件の物語です。
 立ち向かうべき困難を、努力と友情によって乗り越え、勝利する。
 こういうの大好き。

 詳しく紹介したい魅力がたっぷりなのに、でもどうしても曖昧になってしまう……というのは、その意外な展開がものすごく面白かったので。
 思わぬところで二転三転する物語に、ぐるぐる振り回されながらもストンと腑に落ちる、この感覚が本当に気持ちよかったです。

 ぱっと見てわかるキャラクターのコテコテさ加減も、読み進めるうちにちょっと違った意味を伴って見えてくる……というか、もうどんどん好きになっちゃうのだからたまりません。
 もう出てくる登場人物全員好き。最高でした。この心地よい読後感!

 本当に、コメディと思ってゆるゆる読んでいたのが、気づかぬうちにすっかり引き込まれていたお話でした。
 面白かったです! 大好き!