国の要は、自由を手にれる

ヴェニスQ.!O

第1話

俺の名は、エデュノシオ・キュロロス・バモク。


バモク皇国第一皇子だ。次期皇帝と人はそう俺を呼ぶ。この国には継承権という物がなく、男女関係なく年功序列制である。とは言え俺には優秀で自慢の双子の弟がいる。俺は、皇帝の器ではないとよくハゲ大臣や父上に影でボソボソコソコソ言われているらしい。廊下を歩くと小役人どもが指を指してつぶやいていたりするのだ、いやでも耳に入ってくる。ちょっと目線を合わしてやると、ちょっとビクッとして足速にその場を離れていくのだ。それがちょっと楽しくもある。


確かにあいつは優秀だ。

俺より勉強も、運動も社交性も全てが高水準であり、上にある。何より、あの腹黒宰相、近衛騎士団長、元帥にも好かれている。まさに王になるために生まれてきたような人間だ。


そして、そんな王になるために生まれてきた奴には一応双子の兄である俺がいる。この国は古い慣習を守る事が良いこととされているため、年功序列の制度は撤廃されることはない。つまり、双子の兄である俺を弟にし、弟であるノヴァトクス・キュロロス・バモクを兄とする。もしくは俺を急死・国外追放と見せかけ、殺害し王とする。のどちらかが考えられる選択肢である。後者はほとんどないと言ってもいい。それは父上が全国民に双子が生まれたと発表したのと俺が持つ力に関係する。


この国では双子というのは縁起の良い物であり、神の使いであるとされている。この世界を生み出した神は双子で金髪の兄の月神、紅髪の弟の太陽神である。俺は金髪で、ノヴァは紅髪であり、決定的特徴がある。それはこの国の国民の常識であり全世界の常識でもある。


俺にはイージスというどんな攻撃も効かない無敵のスキルがあるからだ。俺はこの力で常にこの国の王都を魔物などの敵性生物スタンピートや自然災害から守っている。つまり自分達の身の安全は俺が握っているということになる。下手に俺を脅して、軟禁しよう物ならスキルを切っててやればいいのだ。

 えっ?ならなんで小役人どもは俺のことを馬鹿にしているかって?それは俺の能力スキルを知っているのは国の上層部だけなのだ。だから、上の役職についていない奴は俺のスキルを知らないから面と向かって馬鹿にできるのだ。お前らを守ってやっているのは俺だというのに。


つまり、俺という存在は、追い出すに追い出すことのできないという事なのだ。


でも俺は、この国を出て世界中を巡り、知らない国で知らない人々の暮らしを見たい、城で出されるただ量が多く、毒味のせいで冷めた飯を食うという生活を脱却し、自由に温かい飯が食えるようになりたいのだ。幸い俺は自分の身を守るスキルもあり、弟よりは弱いがそこら辺の兵士よりは強い。そしてまだ弟にも言っていない”イージス”以外にも外の世界でなんとかなり得るスキルを持っている。


そこで、俺は誰にもバレることなく国を抜け出すために、抜け出すためにいる時間を作るためのイージスに似た機能を持つ所謂”結界”使い捨ての結界を作ることにした。それと俺の大事な自慢の弟のためにイージスのスキルを込めた宝珠を作ることにした。


ぶっちゃけ結界の方は簡単だ。下町にいる結界師を雇って、結界を張らせばいいだけだ。問題なのは、永久に弟を守れる宝珠をつくることだ。

宝珠は魔物の核だ。魔物とは、野生動物が何らかの理由で魔化され獰猛になり人を襲って食べるようになった害獣のことだ。


この核の大きさで、込められるスキルのランクが決まり魔物のランクも決まる。


イージスはユニークスキルであるが、俺以外にも持っている人がいたとされている。その歴史書によるとそのスキルイージスの所有者はたる宗教国家の教皇の次女に生まれたのち、国を出て冒険者になったと記録されている。その間ずーっと宗教国家では彼女が死ぬまで”イージス”は発動されていたといわれているのだ。この伝説が本当であれば、俺はこのクソみたいな生活から抜け出せるかもしれないということだ。


そのイージスを封じ込めた核はワイバーンキングの核であることもわかっている。ワイバーンキングとはドラゴンの亜種であるワイバーンの最上位種であり、その力は中位龍種である赤龍などの色付きドラゴンに勝るとも劣らないという強大さである。赤龍は兵士が10000人で倒せるか倒せないかというところだ。そこで王都の冒険者ぎるどに依頼を書くことにした。冒険者ぎるどには最近ルーキーが入ってきたと言われている。その者は赤龍の上位種炎龍を倒して話題になっているというのだ。この者に依頼を出し、核を貰いイージスを込め、弟に渡せば計画は完璧だ。だが、報酬はどうするべきだろうか。今はそれだけが思いつかない。三日三晩考えた結果、望むものをあたえることにした。











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