第85話 高校生だったあの頃
きのうは中学生の頃のことを書いたので、今回は高校生の頃のことを書こうと思います。「そんなの興味ないわ!」って方は、すみません。スルーしてください。
高校生になって変わったことの一番は、財布にお金を入れて持ち歩くようになったことです。好きな時に、じぶんの好きなものが買える。すばらしいです。同級生はレコードを買ったり、服を買ったり、おいしいものを食べたりしていたようなのですが、わたしは本屋さんに入り浸って本を買ってました(笑)
とにかく、学校から自転車に乗り、自宅へ戻るまでの間に街を横切るため、ルート上には何軒も本屋さんがあるわけです。きのうは〇〇書店、今日は△△書房、明日は◇◇堂と、日替わりで本屋さんに入ったり、ハシゴしたり……いや、新鮮で楽しかったです。
わたしが買っていた本……まずはSFですね。自分のおこづかいを持つようになって真っ先に買うようになったのがSF小説でした。海外SF、なかでもアイザック・アシモフの作品が好きでよく読んでました(『銀河帝国の興亡』『変化の風』『宇宙の小石』など)。逆に、日本SFにはほとんど興味がなく眉村卓のジュブナイルSF(『なぞの転校生』『時空の旅人』など)
、半村良の伝奇SF(『戦国自衛隊』『太陽の世界』など)くらいしか読まなかったですかね。
そうそう、高校生のときに「角川スニーカー文庫」が創刊されたんですよ。当時は、「ファンタジー」っていうジャンル小説はキワモノ扱いで、大手出版社が相手にすることはなかった。ファンタジー関連の書籍は、ゲーム雑誌系の中小出版社・レーベルから出版されていましたが、角川文庫はこれに手を付けて、なおかつ表紙にアニメ絵のキャラクターを配したわけ。いわゆる「ライトノベル」の誕生ですよね。角川スニーカー文庫は、ラノベの一大レーベルとなっていきます。ラノベの元祖は水野良さんの『ロードス島戦記』ですが、わたしは深沢美潮さんの『フォーチュンクエスト』の方が好きでした。
ゲーム雑誌といえば、このころ、コンピューターゲームに特化した雑誌が相次いで創刊されました。「ファミリーコンピュータmagazine」とか「ファミコン通信」とかいった雑誌が有名かな。当時、わたしはファミコン(ファミリーコンピューター)を持っていなくて、MSX(比較的安価なパソコンの規格で、当時、電機・家電メーカー各社からMSX規格のパソコンが発売されていた)をもっていたので、本屋さんで「MSXmagazine」という雑誌を見つけた時はうれしかったなあ。いまでも、その雑誌の表紙イラストをまざまざと思い出すことができます。
持っていたのがパソコンだったということもあって、本屋さんではパソコンゲームの雑誌をよく買ってました。アスキーの「ログイン」、角川書店の「コンプティーク」、徳間書店の「テクノポリス」、小学館の「ポプコム」など当時は色々ありました。わたしは「ログイン」と徳間書店から出ていた「MSX・FAN」の愛読者で、これらの雑誌の影響(パソコンゲーム出版社のノリ。新しいもの好きで、軽くて能天気だけど、ちょっと知的な感じ)をかなり強く受けてますね、いまだに(笑)。
書き出していくと、いろいろと高校生の頃のことが思い出されて楽しいです。ずっと前のことで、アシモフや半村良を読む人はいなくなってしまったし、ゲーム雑誌もなくなってしまいました。ちょっと寂しいこともありますが、この「寂しい」というのもまた趣があっていいなと感じます。齢を取るってこういうことをいうんですかね(笑)
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