第15話 あこがれの生活
毎度、NHKプラスをネタに書かせてもらっていてすみません。今回もNプラから。
いまNプラで「ドキュメント72時間 歴代ベスト10スペシャル」という番組を見ることができるのですが、視聴した方おられますか。
昨日、帰宅してからずうっと観てました。好きなんですよ。ドキュメント72時間。
この番組。三日間、ひとつの場所で取材を続けてどんな人たちがそこへやってくるのか、それはどうしてなのかを追っていく30分間のドキュメントです。レギュラー放送となってもう10年らしいです。もうそんなになりますか……。
今回はこの10年間放送してきたエピソードからNo. 1エピソードを選ぼうというスペシャル番組でした。
どれもこれも選りすぐりで、素晴らしいエピソードばかりなのですが、わたしが語りたいのは第8位だった「北の大地の学生寮」です。
北海道大学の学生自治によって運営されている学生寮に72時間密着したエピソードです。うまく書けないんですけど、ごちゃごちゃしてて、ごみごみしてて、学生同士がわちゃわちゃと無駄に(大人の目線でいうと無駄に)熱量を放散しているがものすごく好きです。
高校の部室で生活してるような感じといえばいいんでしょうか、自由と混沌と熱意と怠惰が一体になったような空間にとてもあこがれます。
有名な『うる星やつら2 ビューティフルドリーマー』というアニメは、文化祭前日というお祭り騒ぎが無限ループのように毎日繰り返される――という設定でいまなお語り草となっていますが、この学生寮のもつ雰囲気はまさにそんな感じ。毎日が文化祭の前日のよう。
ただ、現実はアニメと違って、ずうっと同じ毎日が繰り返されるわけありません。今回のスペシャル番組では、本編の放送から8年が経過して、取材当時の学生さんはみんな学生寮を出ていっていなくなっていました。
ひとり。番組の最後に、放送時に寮に住んでいた学生さんがリモートで出演してくれていました。大学を卒業して、有名農機具メーカーに就職、8年前は雑然とした寮のなかで、半ばダルそうに取材を受け、いかにも大学生だなぁという感じでしたが、今ではちゃんとした社会人としての受け応え。
しっかりしたなあと感じる反面、彼の素顔はきっとあの学生寮に置いてきたままなんだろうと思い、ちょっと切なくなりました。有名企業の社員としての地位を得る代わりに、自分らしさを表現できなくなるというか……。そこに住んでいた人にとっても、学生寮は夢であり、憧れなんじゃないかなと感じました。
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